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妊娠10週の胎児と妊婦の特徴とは?起こりやすい症状と注意点【医師監修】


胎児が少しずつ成長していく妊娠10週。子宮が大きくなると妊婦さんの体に変化が起こるだけでなく、体調に影響が出ることもあります。妊娠初期はまだ不安定な時期であるため、妊娠中に起こり得るリスクに注意しながら、できるだけ安静にお過ごしください。

ここでは、妊娠10週の胎児や妊婦さんの状態、この時期の注意点についてご紹介します。妊婦さんが出生前診断の検査を受ける選択肢もあるため、パートナーやご家族とよく話し合いをしたうえでご検討ください。

妊娠10週の基礎知識

妊娠10週目に差し掛かると、胎児にはどのような変化が見られるのでしょうか。妊娠中のお腹の中の様子や、胎児の成長をはじめとした基礎知識をお伝えします。

妊娠10週とは

妊娠10週とは、妊娠3カ月のことを指します。妊娠週数は、28日間で1カ月と数えます。妊娠月数は“数え”で1から数えるため、妊娠0週から1カ月です。妊娠週数を数えるときは、最後の月経が始まった日が0週0日となり、0~6日目までが妊娠0週となります。妊娠0週が始まってから妊娠15週までは、「妊娠初期」と呼ばれる時期です。妊娠16週から27週までは「妊娠中期」、妊娠28週以降は「妊娠後期」と呼ばれ、出産予定日は妊娠40週0日となります。妊娠41週までが、分娩の目標とされる「正期産」です。

妊娠10週の胎児の特徴

妊娠10週は、エコー(超音波検査)で胎内を確認すると、胎児の頭と胴体が見える状態です。一方で手足はあまり伸びておらず、はっきりと見えないことが多いといえます。頭の先からおしりの先までの長さ(頭殿長)は約30ミリです。目が発達し、耳も完成形に近づいていきます。臓器の原型がほぼ形づくられ、神経系が反応したり、内蔵が機能したりするようになるのもこの時期です。性器も発達してきますが、エコー検査では確認できません。

また、妊娠10週は出生前診断を受けられる時期でもあります。出生前診断の検査方法のなかでも、NIPT(新型出生前診断)は妊娠10週から受検が可能です。ほかの検査方法と比べて早期に実施していただけます。出生前診断の主な検査方法には、非確定検査の「NIPT」「コンバインド検査」「クアトロテスト」、確定検査の「絨毛検査」「羊水検査」などがあります。それぞれ受検可能な時期が異なるため、妊娠週数に合わせてご検討ください。

出生前診断は、妊婦さんやご家族が希望する場合にのみ実施されます。検査を受けると胎児に異常が見つかる可能性があり、家族の将来を考えるうえで情報を役立てやすいと考えられます。ただし、妊婦さんやご家族はどんな検査結果が出ても受け入れる必要があるため、事前に十分に考慮したうえで受検を決断しましょう。出生前診断の基本的な知識や専門家の助言を参考にしながら、身の回りの方と話し合う機会をもつことをおすすめします。

妊娠10週の妊婦に起こりやすい症状

妊娠10週の妊婦さんには、つわり・便秘・出血などの症状が起こりやすくなります。あくまで個人差はありますが、母体に起こり得る症状について理解しておきましょう。

つわりの症状がひどくなる

妊娠10週の妊婦さんのなかには、この時期につわりの症状がピークを迎える方が多くいらっしゃいます。吐き気や嘔吐のほかに、食欲不振・頭痛・唾液量の増加など、つらさを感じる症状が見られることもあるようです。ただし、つわりの時期や程度のひどさは、妊婦さんにより異なります。つわりの程度が軽く、妊娠10週ごろに落ち着く方も少数いらっしゃいます。なお、多くの方は妊娠中期ごろになるとつわりの症状が治まってくるようです。

便秘になりやすい

妊娠10週は、胎児の成長に伴い子宮が徐々に大きくなる時期です。黄体ホルモンの分泌が増えるために、便秘になる妊婦さんもいます。これは黄体ホルモンが腸の動きを弱め、腸のぜん動運動が悪くなるためです。また、妊娠中の運動不足が便秘につながるおそれもあります。ほとんど便秘の経験がない方に症状があらわれるだけでなく、もともと便秘がちな方の症状が悪化する可能性も考えられます。

出血が見られる

妊娠10週は、「胎嚢(たいのう)」と呼ばれる部位と子宮の間から出血することがあります。出血量が多かったり、何度も出血を繰り返したり、腹痛を伴う出血が見られたりする場合は、できるだけ早めに主治医へご相談ください。場合によっては出血が「絨毛膜下血腫(じゅうもうまくかけっしゅ)」となり、細菌感染から流産につながる可能性があるため、注意が必要です。

妊娠10週の過ごし方

妊娠10週の妊婦さんができるだけ健康的に過ごすためのポイントをご紹介します。体調が思わしくないときは無理をせず、できることに少しずつ取り組んでいきましょう。

つわりがひどい場合

つわりの症状がピークを迎えることもある妊娠10週。栄養バランスの取れた食事を摂れると理想的ですが、つわりの症状がひどいときは無理をせず、食べられるものを食べるよう心がけましょう。つわりがひどい方は、食欲がわきづらくなります。においがきつくないと感じる食べ物や、口にしやすいと感じる食べ物を摂ってください。このとき、少しの量を1日のうち何回かに分けて食べても構いません。水分補給をこまめに行うことを心がけ、全く水分摂取ができない場合は主治医に相談しましょう。

一方で、妊娠による影響で食欲が強くなったり、特定の食品のみに強い食欲がわいたりする「食べづわり」が起こる妊婦さんもいます。食欲があるのは好ましいといえますが、栄養バランスの偏りがあまりに大きい場合には、食べ過ぎを防ぐための工夫が必要です。糖質や脂質を多く含む食品を摂りすぎると、妊婦さんの体重が増えすぎるおそれがあります。必要に応じてカロリーの低い食品を取り入れながら、摂取カロリーを調整すると良いでしょう。

便秘がつらい場合

妊婦さんの便秘対策としてできることは、一般的な対策とほとんど変わりがありません。まず、妊娠中は水分をできるだけたくさん摂るようにしてください。朝起きたらコップ1杯の水を飲みましょう。1日に摂取する水分量の目安は、夏の場合は1.5L以上、冬の場合は1L以上です。つわりがひどくて水分を摂りにくくなる影響で、便秘につながるケースもあります。水分をこまめに補給し、可能な限りバランスの取れた食事を心がけましょう。

また、食物繊維を含む食品を積極的に摂取すると、腸内環境を整えやすくなります。食物繊維は海藻類・豆類・根菜類・きのこ類などの食品に含まれているため、食べられる食品があれば取り入れましょう。さらには、運動不足による便秘を防ぐために、無理のない範囲で適度に体を動かすのも有効です。あまりにも便秘の症状がひどいときは、産婦人科で主治医にご相談ください。便秘薬を処方してもらえる場合があります。

妊娠10週の注意点

妊娠初期にあたる妊娠10週を迎える妊婦さんが注意したいことをお伝えします。妊婦さんの健康状態が胎児に影響をおよぼす可能性もあるため、安静に過ごしましょう。

感染症のリスク

妊娠初期は感染症にかからないよう注意が必要です。妊婦さんが感染症にかかった場合、胎児に深刻な影響をおよぼすおそれがあります。妊婦さんが注意したい感染症の代表例として「TORCH症候群」が挙げられます。TORCH症候群は、「トキソプラズマ」「風疹」「サイトメガロ」「ヘルペス」など複数の病原体の頭文字からなる名称です。妊婦さんが感染すると、胎児の成長に異常が見られたり、出生後の発達に影響が出たりする可能性があります。妊娠10週の妊婦さんは、感染症の予防につながる行動を心がけてください。

妊娠中の感染を避けるためには、規則正しい生活を心がけ、体調管理を万全に行うのが基本です。日常生活において手洗いとうがいを徹底しましょう。動物との接触や土いじりは手袋を装着して行い、作業後には必ず手洗いをします。食中毒を防ぐために、非加熱の食品を食べるのはお控えください。人混みへは可能な限り出かけないほうが無難です。例年のように流行するインフルエンザの対策として予防接種を受けるとともに、万が一かかってしまった場合には、早期に医療機関で治療を受けましょう。

流産のリスク

妊娠中に腹痛や出血などの症状が続くときは、産婦人科の受診をおすすめします。妊娠初期は不安定な時期で、流産が起こりやすいといわれます。一般的に安定期と呼ばれるのは16週頃であり、妊娠10週はまだ危険の多い時期です。流産は胎児の染色体異常が原因となるケースが多いものの、母体の病気や子宮の異常のほか、ストレスや喫煙などが原因となることもあり得ます。ただし、流産のはっきりとした原因はわかっていません。

また、妊娠22週未満で妊娠初期~妊娠中期の妊婦さんは、胎児が流産しかけている「切迫流産」と呼ばれる状態となる場合があります。切迫流産は、妊婦さんが安静に過ごすことで回復につながる可能性がある状態です。体調に異変が見られるときは、できるだけ仕事や家事をお休みしましょう。日常生活を大きく変えるというよりも、妊婦さんの体に過度の負担がかからないように過ごすことが大切です。

妊娠10週になったら考えておきたいこと

今回は妊娠10週の胎児の特徴や、妊婦さんの体に起こりやすい症状、この時期の注意点についてお伝えしました。妊娠10週は「妊娠初期」にあたり、母体はまだ不安定な状態にあるといえます。妊婦さんのつわりの症状がピークを迎えることが多く、さらには便秘が起こりやすくなります。妊娠が安定していないため、感染症や流産のリスクも考慮するべきでしょう。妊婦さんは普段よりも安静を心がけて過ごすようお気をつけください。

妊娠10週は、胎児に頭と胴体が見られるようになります。出生前診断ではNIPT(新型出生前診断)を受検できるようになるため、早期の検査を希望する妊婦さんは受検を視野に入れて身の回りの方とご相談ください。妊娠10週から受検できるNIPTは、非確定検査のなかでも精度が高いことが特徴です。母体への採血のみで検査を行うため、胎児の流産や死産のリスクがほとんどありません。新たな出生前診断の検査方法として注目されています。

平石クリニックでは、NIPTの検査を提供するにあたり、受検者さまに安心していただける体制を整えております。検査は平日のほか土日も実施でき、最短6日で結果をお伝えします。認定遺伝カウンセラーが在籍し、無料の電話相談で検査前後の不安や疑問をご相談いただけるため、ぜひご利用ください。検査を受けていただくにあたり、妊婦さんの年齢制限はございません。NIPTの受検は平石クリニックまでお問い合わせください。

監修者

自治医科大学附属さいたま医療センター
産婦人科

専門・実績

周産期医学、超音波診断学。とくに出生前診断、胎児形態異常。自動胎動カウントによる胎児well-beingの評価。経膣超音波等の自動追従型超音波ボディマーカーの開発。超音波装置の安全に関する研究。

所属学会

日本産科婦人科学会(専門医)、日本超音波医学会(専門医・指導医・代議員)、日本周産期新生児学会(専門医・指導医・評議員)、日本周産期メンタルヘルス学会(評議員)、日本分娩監視研究会(幹事)他

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運営者情報
NIPT平石クリニック

院長紹介
(ヒライシ タカヒサ)


専門は内科、消化器科、スポーツ医学。
いつでも頼りになる医療を、さらに日々進化する医療を常に身近に、皆様にとって、なんでも相談出来るようなクリニックを目指しております。

高齢出産が増えている傾向にある日本で、流産のリスクを抑えた検査が出来るNIPT(新型出生前診断)の重要性を高く考え、広く検査が知れ渡りみなさまに利用していただける事を目指しております。


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