2022.10.11 Tue

妊娠12週目の胎児と妊婦の変化を紹介。すべきことや検査も解説

「妊娠12週目の胎児にみられる特徴は?」「妊婦の体調はどう変化する?」などの疑問をお持ちではありませんか?

妊娠初期の最後の週である妊娠12週は、胎児や妊婦の体に大きな変化が訪れる時期です。妊娠12週の胎児は内臓や手足の基本形が完成し、より人間らしい体つきになります。一方、妊婦側ではつわりが落ち着きはじめ、お腹の大きさが次第に目立つようになるでしょう。

しかし、お腹が大きくなるにつれて腰痛や腹痛を感じやすくなることもあります。

この記事では、妊娠12週目における胎児の特徴と妊婦の体の変化について、詳しく解説します。

また、妊娠初期は早期流産となる可能性が高いことが特徴です。流産の危険性が変化する「妊娠12週の壁」と呼ばれる現象についても具体的に解説していくので、詳しく見ていきましょう。

妊娠12週目は何ヶ月にあたる?

妊娠12週目は、妊娠4ヶ月の最初の週にあたります。

妊娠12週目までは妊娠初期と呼ばれ、流産しやすい時期とされているのが特徴です。流産は妊婦全体の約8~15%に起こり、その多くは妊娠12週目までの早期流産といわれています。しかし、妊娠12週をすぎると流産の危険性が減少し、妊娠15週目になると安定期と呼ばれる時期に入ります。

つわり症状も妊娠3ヶ月に比べて軽くなり、すごしやすくなるでしょう。

 

参照:国立成育医療研究センター「流産してしまいました。いったいどうして?

妊娠12週目の胎児の発育状況

妊娠12週目の胎児は、内臓の基本的な形が完成し骨と筋肉が発達することで、より人間らしい体つきになります。このころの胎児はグレープフルーツほどの大きさで、身長は約15cm、体重は100~120g程度です。

妊娠12週になると、脳と脊髄を除いた各器官の形成が終わります。指先には爪が作られ、まぶたや耳の形も確認でき、顔の輪郭がはっきりとしてきます。胎児は足よりも腕の発達が早い傾向があり、妊娠12週目では足が小さく腕が長い状態です。

内臓も機能しはじめ、尿の生成や胃液の分泌も行われます。

また、妊娠12週は性器の発達により男女の区別もつくころです。ただし、確実に性別を判断できるのは妊娠16週以降といわれています。

エコー検査では、あくびや指しゃぶり、手足を動かす様子が確認できることがあります。しかし、妊娠12週の胎児はまだ小さいため、胎動を感じることはほとんどありません。胎動は、18週をすぎたあたりから次第に感じられるようになります。

妊娠12週目の妊婦の変化

妊娠12週目の妊婦には、次のような変化が現れます。

  • つわりの軽減
  • 基礎体温の低下
  • 体重増加
  • 腹部や腰の痛み
  • 頻尿

 

妊娠12週以降になると、つわりが徐々に落ち着きます。つわりが治まる理由は、妊娠初期に増加したhCGホルモンが妊娠12週以降で急激に減少するためです。

ホルモンの分泌量が落ち着くと、ほてりやだるさの原因となる基礎体温の上昇も治まります。

また、つわりが軽くなることで食欲が回復し、体重が増加する場合があります。しかし、急激な体重増加は妊娠糖尿病や妊婦高血圧症候群を発症する可能性があるため、適切に体重を管理することが重要です。

そして、妊娠12週になるとお腹の大きさが目立ちはじめます。胎児の大きさに合わせて子宮が拡大するため、腹痛やお腹が苦しいと感じることが増える可能性があります。腰痛もよく見られる症状で、出産に備えて腰回りの関節や靭帯がホルモンの影響で緩むことが原因です。

さらに、子宮の拡大により膀胱が圧迫され頻尿になることがあります。尿を我慢すると細菌が繁殖し、膀胱炎などの尿路感染症になる危険性があるため、尿意を感じたら我慢せずトイレに行くことが大切です。

 

参照:妊娠出産・母性健康管理サポート「働く女性のつわりについて
参照:妊娠出産・母性健康管理サポート「膀胱炎

妊娠12週の壁とは

妊娠12週の壁とは、流産のリスクが減少する境目のことです。

妊婦全体の流産率は8~15%とされていますが、その約8割は妊娠12週までに起こる早期流産です。しかし、妊娠12週をすぎると胎盤が安定するため、流産の危険性が大きく減少することがわかっています。

また、胎児の心拍が確認できると流産率が低下するという調査結果があります。オーストラリアの研究によると、697名の妊婦を対象に調査した結果、胎児の心拍が確認できた後の流産率は1.6%であることがわかりました。

妊娠週数が進むにつれてリスクは減少する傾向にあり、妊娠10週目で0.7%まで低下し、妊娠11週目にはさらに低下する結果が出ています。

しかし、妊娠12週以降でも流産の可能性は完全にはなくなりません。妊娠12週以降の後期流産は、全体の1~2%で発生します。

早期流産の50%以上が胎児側の染色体異常であることに対し、後期流産は感染症や子宮筋腫など母体側が原因となる割合が増加します。そのため、妊娠12週をすぎても適切な健康管理が重要です。

 

参照:国立成育医療研究センター「流産してしまいました。いったいどうして?
参照:日本産科婦人科学会「流産・切迫流産
参照:働く女性の心とからだの応援サイト「働きながら安心して妊娠・出産を迎えるために
参照:pubmed「Miscarriage risk for asymptomatic women after a normal first-trimester prenatal visit
参照:こども家庭庁「反復・習慣流産(いわゆる「不育症」)の相談対応マニュアル

妊娠12週目の妊婦がすべきこと

妊娠12週目の妊婦が、日常生活で積極的に取り入れたいことは次の5つです。

  • 適度な運動
  • 骨盤底筋のトレーニング
  • バランスの取れた食事
  • マタニティウェアの準備
  • 妊娠線の予防

 

妊娠12週をすぎてつわりが落ち着きはじめたら、ヨガやウォーキングなどの軽い運動を行いましょう。運動は過度な体重増加を防ぎ、ストレス解消にもつながります。

骨盤底筋のトレーニングは、スムーズな分娩や産後の尿漏れ防止に役立ちます。骨盤底筋のトレーニングとしておすすめなのは、ケーゲル体操です。

尿道や膣、肛門付近の筋肉に力を入れ5秒キープし、その後5秒緩めます。10回を1セットとして、無理のない範囲で数セットを行いましょう。

妊娠12週をすぎ胎盤が完成すると、胎児は母体から栄養を摂取するようになります。そのため、栄養バランスの取れた食事で胎児と自身の健康維持を心がけることも大切です。

腹部の膨張による妊娠線が気になる場合は、お腹にクリームをつけてゆっくりとマッサージすることで予防できる可能性があります。

 

参照:KAKEN「妊娠・出産と契機とする腹圧性尿失禁の効果的な予防プログラムの開発とその効果

妊娠12週に妊婦が受けるべき検査

妊娠12週に妊婦が受けるべき検査は、以下の2つです。

  • 妊婦健診
  • NIPT(新型出生前診断)

 

これらの検査は、妊婦自身と赤ちゃんの健康状態を把握するために重要です。具体的な検査内容を確認していきましょう。

妊婦健診

妊婦健診は、妊婦と胎児の健康状態や発育状況を定期的に確認する検査です。妊婦健診でわかることは、胎児の心拍や向き、母体の感染症や糖尿病の可能性などです。

検査内容は妊娠数週によって異なりますが、具体的には次のような検査をします。

  • 尿検査
  • 超音波検査
  • 血液検査
  • 子宮頸がん検査
  • 膣分泌物検査
  • GCT検査

 

また、身長や体重、血圧測定などの基本的な検査も行います。

妊婦健診の頻度は、妊娠週数によって異なります。

妊娠週数妊婦健診の頻度
妊娠判定~妊娠11週1~2週間に1回
妊娠12~23週4週間に1回
妊娠24~35週2週間に1回
妊娠36~1週間に1回

妊婦健診の一部は、公費助成の対象です。助成額は自治体によって異なりますが、1回あたり4,000~5,000円となっています。

妊婦健診では病気の有無を調べるだけでなく、食事や生活に関する保健指導も行われます。気になる症状や不安に感じることがあれば、積極的に医師に相談しましょう。

 

参照:厚生労働省「妊婦健診Q&A

NIPT(新型出生前診断)

NIPT(新型出生前診断)とは、胎児の染色体異常を調べる検査のことです。母体から血液を採取することで、以下のような染色体異常を確認できます。

  • ダウン症候群
  • エドワーズ症候群
  • パトー症候群

 

NIPT(新型出生前診断)は、少量の血液で検査できるため流産や感染症となる危険性が少ないことが特徴です。また、検査精度が高く、染色体異常を高精度で発見できます。

ただし、NIPT(新型出生前診断)は非確定検査と呼ばれ、判断できるのは染色体異常の可能性までです。陽性だった場合は、羊水検査などの確定検査で病名を特定します。

また、NIPT(新型出生前診断)は健康保険の適用外となっているため、検査は自費です。検査費用は病院によって異なりますが、一般的には10~20万円程度かかります。

赤ちゃんの状態を把握し安心して妊娠期間をすごすためにも、早い段階でNIPT(新型出生前診断)を受けることをおすすめします。

妊娠12週目は胎児の体つきがより人間らしくなる

妊娠12週の胎児は、骨と筋肉が発達し内蔵の基本的な形が完成します。妊婦側はつわりが落ち着き、すごしやすくなるでしょう。

また、妊娠12週になると早期流産の危険性も減少するため、安心して胎児の成長を見守れます。

ただし、胎児の発育状況や健康状態を把握するには、妊婦健診などの検査が欠かせません。とくに、染色体異常などの先天性異常は早期に発見することで、その後の対応を適切に行えます。

胎児の先天性異常を確認するには、NIPT(新型出生前診断)がおすすめです。

平石クリニックのNIPT(新型出生前診断)では、検査結果が陽性の場合は羊水検査費用を全額負担いたします。無料の電話相談も受け付けているため、検査に関する疑問や不安がある場合は、どうぞお気軽にご相談ください。

運営者情報
NIPT平石クリニック


高齢出産が増えている傾向にある日本で、流産のリスクを抑えた検査が出来るNIPT(新型出生前診断)の重要性を高く考え、広く検査が知れ渡りみなさまに利用していただける事を目指しております。


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いつでも頼りになる医療を、さらに日々進化する医療を常に身近に、皆様にとって、なんでも相談出来るようなクリニックを目指しております。
高齢出産が増えている傾向にある日本で、流産のリスクを抑えた検査が出来るNIPTの重要性を高く考え、広く検査が知れ渡りみなさまに利用していただける事を目指しております。