2019.12.19 Thu

妊娠中でもアロマセラピーを楽しめる?症状別におすすめの精油も紹介

アロマセラピーとは、植物や果物から抽出した香り成分を使って心身をリラックスさせる自然療法です。

自律神経を整え、ストレスの軽減やリラックス効果が期待できるため、妊娠中に楽しみたいと考える人もいるでしょう。

しかし、胎児への影響や使用に際しての不安もあるかと思います。

この記事では、妊娠中でも使用できる精油や使用時の注意点、症状別におすすめの精油を詳しく紹介します。アロマセラピーで、心も体もリラックスした妊娠期を過ごしましょう。

妊娠中にアロマセラピーをおすすめする理由

アロマセラピーは心身のバランスを整える自然療法として、妊娠中でも利用できます。

妊娠中は出産や産後への不安ホルモンバランスの変化による自律神経の乱れにより、ストレスを感じやすい時期です。

ストレスは、早産や低出生体重児となる可能性を高めるため、妊娠中のストレス管理はとても大切です。

妊娠中にアロマセラピーを利用すると、不安やストレスの軽減に役立つとされています。また、アロマセラピーには以下のような効果も期待できます。

  • 睡眠の質の向上
  • 集中力の向上
  • 腰痛の軽減
  • むくみの軽減
  • 妊娠線の予防

 

妊娠中に起こりやすい身体的な不調にも対応できるアロマセラピーは、妊婦におすすめのケアといえるでしょう。

 

参照:こども家庭庁「妊産婦メンタルヘルスケアマニュアル
参照:J-STAGE「妊娠期のアロマセラピーを用いたセルフケアが及ぼす長期的な効果
参照:健康長寿ネット「アロマテラピーの健康効果とは

妊娠中に使用できるアロマ(精油)

妊娠中に使用できる精油は、時期ごとに異なります。

  • 妊娠初期から使用できる主な精油
  • 妊娠6ヶ月から使用できる主な精油

 

それぞれの時期で使用できる精油を確認していきましょう。

妊娠初期から使用できる主なアロマ(精油)

妊娠初期は、柑橘系の精油を選びましょう。

妊娠初期は、ホルモンバランスの変化やつわり、気分の落ち込みなど心身に多くの変化が起こる時期です。

柑橘系の精油は効能が穏やかなことが特徴で、つわりや気分の落ち込みの緩和にも役立ちます。そのため、妊娠初期の使用に適した精油といえます。

具体的には、以下のような精油がおすすめです。

精油特徴効果注意事項
レモン甘く爽やかな香りリフレッシュ、集中力向上光毒性がある
スイートオレンジ甘く爽やかな香りリラックス、気分転換
ビターオレンジ苦みのある柑橘系の香りリフレッシュ、痛みの緩和、免疫力向上光毒性がある
グレープフルーツ爽やかで少し苦みのある香りリフレッシュ、血行促進、気分転換光毒性がある
ローズウッドフローラルで優しい甘さのある香りリラックス、抗菌作用、皮膚細胞の活性化
マンダリンまったりと甘くフルーティーな香りリラックス、消化促進
ネロリフローラルで爽やかな香り鎮静、皮膚再生

ただし、柑橘系の精油には光毒性をもつ種類があります。光毒性は、日光に当たると皮膚に刺激を与える可能性があるため注意しましょう。

妊娠中はホルモンバランスの変化により皮膚が敏感になっています。通常よりも強い反応を引き起こす可能性もあるため、アロママッサージのように精油を直接肌に使用する際は、光毒性のある精油は避けるようにしましょう。

また、妊娠初期にはラベンダー精油の使用を控えましょう。ラベンダー精油には通経作用により子宮を刺激する恐れがあるため、妊娠初期にはおすすめできません。

妊娠6ヶ月から使用できる主なアロマ(精油)

妊娠6ヶ月からは使用できる精油が増え、さまざまな香りを楽しめます。使用できる精油は以下のとおりです。

精油特徴効果
カモミールジャーマン濃厚で甘い香り鎮静、皮膚再生、保湿
カモミールローマン甘く優しいフローラルの香り抗炎症、鎮静、リラックス
サンダルウッド甘みのあるウッディな香りリラックス、鎮静、抗感染
パチュリー甘く深みのある土っぽい香りリラックス、抗炎症、保湿
真正ラベンダー(トゥルーラベンダー)甘くフローラルな香りリラックス、抗菌、皮膚再生

妊娠6ヶ月を過ぎたからといって、すべての精油が問題なく使用できるわけではありません。

ラベンダーは妊娠6ヶ月以降から使用できますが、真正ラベンダー以外のラベンダーには注意が必要です。

リラックス効果が高いことで知られる真正ラベンダーに対し、スパイクラベンダーやラバンディンなどは成分や効能が異なるためです。

また、刺激が強いと感じる場合があるため、ラベンダーを使用する場合は真正ラベンダーを選ぶようにしましょう。

妊娠中のアロマ(精油)を選ぶ際の注意点

妊娠中に使用する精油を選ぶ際は、以下のことに注意が必要です。

  • 100%天然の精油を使用する
  • 妊娠中の使用は禁忌とされる精油を避ける

 

100%天然のアロマ(精油)を使用する

妊娠中に精油を使用する際は、合成香料ではなく100%天然の精油を選ぶことが大切です。

合成香料は、天然の精油より香りが長持ちする特徴があります。しかし、頭痛やアレルギーなどさまざまな症状を引き起こす可能性があるため、妊娠中の使用はおすすめできません。

また、体温や免疫力の低下を招くこともあり、胎児の健康に影響を及ぼす恐れもあります。さらに、合成香料に含まれるフタル酸エステルは、出生時のホルモンバランスに影響を及ぼすことがわかっています。

子どもの発達に問題を引き起こす可能性があるため、妊娠中は100%天然の精油を選びましょう。

 

参照:北海道スタディ「妊娠中にフタル酸エステルにさらされると、子どものホルモンバランスが乱れる

妊娠中の使用は禁忌とされるアロマ(精油)を避ける

妊娠中は、使用を避けるべき精油が存在します。たとえば、以下のような精油は注意が必要です。

  • ジャスミン
  • セージ
  • ペパーミント
  • フェンネル

 

ジャスミンやセージなどの精油には、子宮収縮作用や流産を引き起こす可能性があります。

ペパーミントは神経に悪影響を及ぼすことがあり、妊娠中の使用はおすすめできません。

また、フェンネルにはエストロゲン作用があり、ホルモンバランスに影響を与える可能性があります。

妊娠中に精油を使用する際は、成分や効能を確認し信頼できる情報にもとづいて選びましょう。

妊娠中の症状別におすすめアロマ(精油)

妊娠中に引き起こされる症状別におすすめの精油を紹介します。

  • つわりの軽減におすすめの精油
  • むくみの解消におすすめの精油
  • 妊娠線予防におすすめの精油

 

つわりの軽減におすすめのアロマ(精油)

つわりの軽減には、以下のような精油がおすすめです。

  • グレープフルーツ
  • マンダリン
  • レモン

 

グレープフルーツとマンダリンには消化を促進させる作用があり、胃腸の働きを助けます。

レモンには血液の流れを促す作用があり、消化機能を活性化させるため、つわりの不快感を軽減したいときにおすすめです。

つわり症状がつらいときは、消化促進作用のある精油を取り入れてみましょう。

むくみの解消におすすめのアロマ(精油)

むくみの解消には、以下の精油がおすすめです。

  • グレープフルーツ
  • レモン
  • スイートオレンジ

 

グレープフルーツやレモンなどの柑橘系精油は代謝力を高め、体内の水分バランスを整える作用があります。

また、スイートオレンジは血行を促進する作用があるため、むくみの軽減に役立ちます。

妊娠線予防におすすめのアロマ(精油)

妊娠線の予防には、以下の精油がおすすめです。

  • 真正ラベンダー
  • マンダリン
  • ネロリ

 

真正ラベンダーは皮膚の再生を促し、保湿する効果があります。マンダリンには皮膚をやわらかくし、伸縮性を上げる働きがあります。

ネロリは皮膚の弾力性を高め、保湿を促進する作用が特徴です。

妊娠線の予防には、精油をブレンドしてお腹に塗布するのもおすすめです。ブレンドオイルをお腹に優しくマッサージすることで、肌の弾力性を保てます。

妊娠中のアロマセラピーの楽しみ方

妊娠中のアロマセラピーには、以下のような楽しみ方があります。

  • 芳香浴
  • アロマバス
  • アロママッサージ

 

芳香浴

リラックスしたいときや気分をリフレッシュしたいときは、芳香浴がおすすめです。芳香浴とは、部屋全体に精油の香りを拡散させて楽しむ方法です。

スプレーで部屋に噴射したり、ティッシュに精油を含ませて近くに置いたりすることで、簡単に芳香浴を楽しめます。

より本格的に芳香浴をしたい場合は、アロマディフューザーやアロマランプの使用がおすすめです。

アロマディフューザーは、加熱式や噴霧式など種類が豊富です。噴霧式のディフューザーを使えば、水に精油を数滴垂らすと濃厚な香りが長時間続きます。

アロマランプを使った方法では、精油をランプで温めることでゆっくりと広がる香りと優しい光の空間を楽しめます。

妊娠初期は胎児の器官形成が進む大切な時期です。アロマバスやマッサージなどの体に直接触れるケアは控えて芳香浴を利用しましょう。また、体調に合わせて無理のない範囲でアロマセラピーを楽しむことも大切です。

アロマバス

アロマバスは、リラックス効果や血行促進が期待できます。

ただし、妊娠初期はホルモンバランスが不安定で体が変化に敏感なため、アロマバスの利用は妊娠6ヶ月以降がおすすめです。

利用する際は、精油の濃度に注意し通常よりも低濃度で使用しましょう。具体的には、湯ぶねに精油を3~5滴程度垂らして使用します。

また、精油による皮膚刺激に注意が必要です。精油の原液が直接皮膚に触れると、炎症を引き起こす場合があります。

とくに柑橘系の精油は刺激が強いことがあるため、ローズウッドやイランイランなど刺激の少ないものを選ぶとよいでしょう。

すべての精油がアロマバスに使えるわけではないため、何が使えるか事前に調べてから使用しましょう。

アロママッサージ

アロママッサージは、血流やリンパの流れの改善に有効です。

セルフマッサージの際には、お腹に負担をかけないよう注意が必要です。お腹に圧力がかかると、子宮収縮や血管の圧迫を引き起こす可能性があります。

また、使用する精油や濃度にも気をつけましょう。

セルフマッサージに不安を感じる場合は、専門の施設で施術を受けることをおすすめします。

妊娠初期は胎盤が安定しておらず胎児が不安定な状態のため、マッサージは妊娠6ヶ月目以降に行いましょう。

また、妊娠中にマッサージしてもよいかは、事前にサロンや医師に確認しておいてください。

妊娠中のアロマセラピーは使う精油に注意して楽しもう

妊娠中に引き起こされるむくみやつわりなどの症状は、アロマセラピーで軽減できることがあります。また、ストレスを和らげてリラックスしたいときにもおすすめです。

ただし、妊娠時期によって使用できる精油は異なります。さらに、ジャスミンやセージなど一部の精油は子宮収縮や流産の危険性があるため、妊娠中の使用は避ける必要があります。

妊娠中は使用できる精油をしっかり確認した上で自分の好きな香りを選び、体調に応じてアロマセラピーを楽しみましょう。

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