妊婦健診の超音波検査(エコー検査)では、胎児の頭が上側にある状態の「逆子」が見つかることがあります。逆子といわれると赤ちゃんの成長や分娩方法などに不安を感じる方もいることでしょう。本記事では逆子の特徴や原因、診断方法、治るタイミングなどを解説します。
逆子とは
逆子とは、子宮の中で頭を上に向けた状態になっている赤ちゃんのことです。逆子の状態を医学的には「骨盤位」と呼びます。胎児は妊娠中期頃までは子宮内で自由に体を動かして姿勢を変えます。そのため、妊娠中期頃までは約40%の赤ちゃんが逆子です。
通常、体が成長して頭が重くなるにつれて、出産までに頭を下に向けた「頭位(とうい)」と呼ばれる状態になります。中期頃には逆子であっても、妊娠後期にあたる妊娠30週以降には自然と頭位になるケースがほとんどです。妊娠36週にも逆子のままである確率は約7%です。
逆子の場合、頭位の胎児とは上下が逆になっているため胎動の感じ方が異なります。頭位であれば足が上側にあるためお腹の上側で胎動を感じますが、逆子のケースでは足が下側にあるため、下腹部で感じやすくなります。
参照:国立研究開発法人国立成育医療研究センター「逆子(さかご)について」
逆子になる原因
逆子になる原因ははっきりとしていませんが、以下のような要素が関係していると考えられています。
- 羊水過多
- 多胎妊娠
- 子宮の変形
- 前置胎盤
- 胎児の形態異常
羊水が多い状態では胎児が子宮内で自由に動きやすく、動きすぎて逆子になることがあります。双子や三つ子を妊娠する多胎妊娠や子宮筋腫などによる子宮の変形がある場合は、子宮内で胎児が動けるスペースが狭くて動けないことで逆子になることがあります。胎盤が子宮の出口側にある前置胎盤の場合も、胎児の動きが制限されてしまう要素の1つです。
また、無脳症や水頭症といった胎児の形態異常も逆子の原因として考えられています。
逆子かどうかわかる方法
逆子の診断は超音波検査(エコー検査)で行います。超音波検査(エコー検査)では赤ちゃんの様子を画像で確認するため、頭の位置を正確に確認できます。
先述した通り、妊娠中期頃までは逆子の状態でもその後に自然と頭位になることは珍しくありません。妊娠中期に逆子であると指摘されても、過度に心配する必要はないでしょう。
妊娠30週〜32週になっても赤ちゃんの頭が上にある状態の場合、逆子と診断されます。出産日までに頭位になることもありますが、逆子のままの可能性も考慮し、医師と対策を相談しましょう。
逆子が治る瞬間はどのタイミング?
逆子は自然に治る他にも、逆子体操や寝る向きによって治ることもあります。
逆子体操とは、胎児の回転を促す体操のことです。四つん這いの姿勢から顔を伏せてお尻を高く上げる「胸膝位(きょうしつい)」や、仰向けに寝転がった状態から腰を上げる「ブリッジ法」などがあります。
ただし、逆子体操は医学的な根拠はなく、必ず効果が期待できるものではありません。また、これらの運動はお腹の張りを引き起こすことがあるため、必ず医師の指導をもとに行いましょう。
また、赤ちゃんの頭の向きに合わせて左向きや右向きで寝ることで治るケースもあるようです。出産までに逆子を治したい場合は、医師に相談の上で対策方法を試しましょう。
いつまでに逆子だと帝王切開になる?
逆子と診断を受けると、分娩方法はいつ決まるのか不安になる方は多いでしょう。逆子の場合は経膣分娩が難しく、帝王切開になるケースがほとんどです。
妊娠35週頃には分娩方法を決定するため、この時期まで逆子だと帝王切開になります。帝王切開の場合、妊娠38週前後を目途に行うのが一般的です。
また、逆子を治す方法として「外回転術(骨盤位外回転術)」があります。外回転術は医師によって行われる矯正方法です。超音波で赤ちゃんの向きを確認しながら、妊婦のお腹の上から手を使って赤ちゃんの位置を180度回転させます。妊娠34〜36週頃の実施が推奨されており、成功率は約60%です。
なお、逆子の経膣分娩では赤ちゃんの頭部が骨盤に引っかかって出づらくなり、難産になる可能性があります。へその緒が赤ちゃんより先に子宮外へ出る臍帯脱出(さいたいだっしゅつ)になり、赤ちゃんが窒息する危険もあります。最悪の場合、赤ちゃんが死亡する可能性も否定できません。
こうした危険を回避するために、逆子の出産では多くの医療機関で帝王切開を推奨しています。
参照:国立研究開発法人国立成育医療研究センター「逆子(さかご)について」
参照:国立研究開発法人国立成育医療研究センター「帝王切開について」
逆子で生まれた子に特徴はある?
逆子で生まれた場合、赤ちゃんに障害があったり脳の発達に先天性の異常があったりするのではないかと不安になる人もいるでしょう。しかし、逆子だからといって赤ちゃんの成長に影響があるとはいえません。
胎児の形態異常がある場合に逆子になることはありますが、逆子だから障害や異常の確率が高いわけではないことを理解しておきましょう。
逆子と診断されても過度に心配しないことが大切
逆子は子宮内で赤ちゃんの頭が上側にある状態のことです。多くの場合出産日までには下向きに治るため、過度に心配する必要はありません。一方で、臨月になっても逆子のままであれば、帝王切開での出産となる可能性があります。
逆子かどうかは超音波検査(エコー検査)で赤ちゃんの姿勢を確認することでわかります。逆子の心配がある場合は、妊婦健診の超音波検査(エコー検査)で赤ちゃんの頭の位置を確認しましょう。
また、胎児の成長や健康に影響があるのではと心配な場合は、NIPT(新型出生前診断)を受けるのがおすすめです。NIPT(新型出生前診断)は妊娠中に胎児の先天性異常を調べられる検査であり、染色体異常の有無を調べられます。
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