2022.05.21 Sat

ブライダルチェックとは?検査項目から知っておきたい症状について解説

ブライダルチェックとは?検査項目から知っておきたい症状について解説


結婚を控えている女性は「ブライダルチェック」を聞いたことがあるのではないでしょうか。

この記事では「ブライダルチェック」について解説します。

結論、ブライダルチェックは、トータルヘルスチェックと言えるものです。
ブライダルチェックを行っておくと、将来の妊娠や出産が、スムーズに行えるでしょう。他にも「ブライダルチェックの検査項目」や「ブライダルチェックの費用」についても解説します。

ぜひ今回の記事を参考に、結婚を控えている女性は、ブライダルチェックを受けてみましょう。また「妊娠超初期症状」に関しては、こちらで解説していますのでぜひ確認してみてくださいね。

ブライダルチェックとは

ブライダルチェックとは

ブライダルチェックとは、一般的に結婚を控えた女性が受ける婦人科検診を指します。ただし、明確な検査項目は決まっていません。
そのため、ブライダルチェックは、婦人科で受けられる複数の検査の総称と言えます。
また、結婚前に限定したものではなく、結婚後でも受診可能です。

ブライダルチェックを行うと、妊娠や出産に影響する病気や感染症について調べられます。将来的に妊娠、出産を考えるのであれば、受けておくと良いでしょう。

ブライダルチェックの検査項目

ブライダルチェックの検査項目

ブライダルチェックは、以下のような人におすすめです。

  • 生理不順がある
  • 極度の肥満
  • 痩せすぎ
  • 心臓や腎臓に持病がある
  • 35歳以上
  • 貧血を起こしやすい
  • 風疹や麻疹などの予防接種を受けていない
  • 健康診断を受けていない

上記のような悩みがある人に対して、ブライダルチェックでは、以下のような検査を行います。

  • 問診・内診
  • 血液検査
  • 超音波検査
  • 子宮内膜症検査
  • 性感染症検査
  • 風疹抗体検査
  • 各種がん検査
  • 女性ホルモン分泌検査甲状腺機能検査
  • 膠原病検査
  • 貧血検査
  • 各種ホルモン検査
  • 肝炎ウイルス検査

以下では、とくに妊娠に関連する検査について解説します。

問診

問診では、女性が把握している悩みを聞いてもらいます。問診票に必要事項を記入し、内容を見ながら医師や看護師に話を聞いてもらいます。

主に聞かれる質問は、以下のとおりです。

  • 初潮の年齢
  • 生理の周期
  • 最後の生理の開始日
  • 持病や治療などの歴
  • アレルギーの有無
  • 妊娠、出産の経験

少しでも気になる部分があれば、積極的に相談しましょう。

内診・超音波検査

内診・超音波検査

内診では、主に超音波検査を行います。経腟超音波を膣に侵入し、子宮が卵巣の様子を確認します。

主にわかるのは、子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣の腫瘍の有無などです。経腟超音波を膣に挿入しますが、基本的に痛みはありません。(個人差はあります)

血液検査・感染症検査

血液検査や感染症検査では、体内の機能や感染症について調べます。

採血検査でわかるのは、以下のとおりです。

  • 貧血
  • 肝機能
  • 腎機能
  • 糖代謝
  • B型肝炎
  • C型肝炎

感染症検査でわかるのは、以下のような感染症です。

  • 梅毒
  • HIV
  • クラミジア

それぞれの感染症は、不妊の原因になる場合もあるので、早期の発見が重要になります。

風疹抗体の検査

風疹抗体の検査

風疹抗体の有無は、血液検査で調べます。

抗体が十分にないと、風疹に感染する可能性があるため、早い段階で検査を行っておきましょう。妊娠中に風疹にかかると、胎児に風疹がかかる場合があります。
胎児に風疹がかかってしまうと、複数の先天異常になる可能性があるのです。

妊娠中のどの時期に胎児が感染したかに応じて、まったく症状がないこともあれば、死産に至ることもあります。生き延びた乳児にも、複数の先天異常がみられることがあります。これらの先天異常は、先天性風疹症候群と呼ばれます。

引用元:新生児の風疹|MSDマニュアル家庭版

先天性風疹症候群の一般的な症状は、以下のとおりです。

  • 出生時体重が低い
  • 頭が小さい
  • 脳の炎症
  • 白内障
  • 網膜の損傷
  • 難聴
  • 心臓の異常
  • 肝臓や脾臓の腫大
  • あざなどの皮膚の斑点
  • リンパ節の腫れ

もし抗体が十分でないと分かった場合は、ワクチン接種を受ける必要があります。

AMH検査

AMH検査は、卵巣予備能検査と呼ばれる、血液中のAMHの濃度を調べる検査です。

AMHとは、前胞状卵胞から胞状卵胞に発育する段階の卵胞から多く分泌されるホルモン。AMHの量は、発育中の卵胞の数を反映すると考えられています。そのため、AMHを測定すれば、卵巣内に残っている卵子の数がわかるのです。
たとえば、AMH値が高ければ妊娠しやすい、AMH値が低ければ妊娠しにくい身体と言えます。

おりもの培養検査

おりもの培養検査

おりもの培養検査は、膣内の雑菌を調べる検査です。

通常、雑菌が膣内に侵入しても大きな影響はありません。しかし、疲労などで免疫力が下がっている場合には、雑菌が増えて炎症を起こす可能性があります。

検査は腟の分泌物を綿棒で採取する方法ですが、基本的に痛みはありません。

血液マーカー検査

血液マーカー検査では、良性疾患の子宮筋腫や子宮内膜症の可能性を調べられます。検査は、採血で行われるのが一般的です。そのほか、さまざまな検査をセットにしている場合もありますが、マーカー検査のみも行えます。

どのようなに検査を行うかは、各クリニックなどにご相談ください。

ブライダルチェックでチェックしておきたい病気

ブライダルチェックでチェックしておきたい病気

ブライダルチェックを行う際は、以下の病気がないかチェックしておきましょう。

  • 子宮頸がん
  • 子宮筋腫
  • 子宮内膜症
  • 風疹
  • 乳がん
  • クラミジア
  • 梅毒
  • 甲状腺機能異常
  • 膠原病

それぞれは、妊婦に負担を与える他、赤ちゃんにうつる可能性のある感染症もあります。ブライダルチェックでは、いずれかの病気になっていないか確認しておきましょう。

子宮頸がん

子宮頸がんは、子宮の入口にできるがんです。

早期発見で治療可能ですが、進行していると、子宮を摘出しなければいけいない場合があります。また、子宮頸がんは、ワクチン接種により予防が可能です。
とくに30代後半女性の発症率が高いので、30代後半の女性は、検査しておくべきでしょう。

子宮筋腫

子宮筋腫

子宮筋腫は、子宮の筋組織にできる腫瘍です。
腫瘍ではあるものの、良性であり、成人女性の4人に1人がなると言われています。

婦人科疾患の中で最も多く、生殖年齢の婦人の4~5人に1人(20~30%)の割合で発生します。

引用元:子宮筋腫とは|東京逓信病院

そのため、子宮筋腫が見つかった場合でも、基本的には経過観察です。ただし、腫瘍の場所によっては流産や早産の原因になるので、早期の発見のために検査を行っておきましょう。

子宮内膜症

子宮内膜症は、子宮内膜と同じ組織が、子宮以外の場所で増えてしまう症状です。主に月経痛がひどい場合に、子宮内膜症になっている可能性があります。

しかし、その他の症状が少ないため、自覚症状がない場合も。

不妊の原因になる場合もあるので、ブライダルチェックで確認しておきたい症状です。

風疹

風疹

風疹は、妊娠中に感染すると、胎児に影響を及ぼす可能性が高いです。さらに、母子感染の可能性があり、流産のリスクも高くなります。

もしブライダルチェックで風疹の抗体がないまたは低い場合は、ワクチン接種で感染を防げます。無事に赤ちゃんを出産するために、風疹も確認しておきましょう。

乳がん

ブライダルチェックでは、乳がんも確認できます。

乳がんになる女性は、生活習慣の乱れが関係していると言われているので、生活習慣が整っていない女性は、検査を受けておくと良いでしょう。

日本で乳がんの患者さんが増加しているのは,食生活・生活習慣の変化が大きな原因ではないかと考えられています。

引用元:食生活・生活習慣・持病と乳がん発症リスクについて | 患者さんのための乳癌診療ガイドライン2019年版

近年では、年齢を問わず乳がんになる可能性があると言われています。乳がんも早期発見であれば対処しやすいので、早い段階での検査がおすすめです。

クラミジア

クラミジア

クラミジアは、性行為による細菌感染症です。

クラミジアに感染していると、不妊や異常妊娠の原因になります。日本で最も多い性感染症ではあるものの、無症状で感染していると気付かない人もいるので、注意しなければいけません。

早期の発見で服薬治療が可能です。

梅毒

梅毒は、性行為による細菌感染症です。梅毒は、母子感染する可能性も非常に高いため、ブライダルチェックで検査を受けておきましょう。

母親から胎児への感染率は、60~80%と言われています。2017年には、母子感染する「先天梅毒」の報告も増えていました。

性感染症の梅毒患者の増加が止まらない。国立感染症研究所(感染研)の昨年1年間の報告数は4518人と、2011年の827人から急増。特に20代の女性の感染が目立ち、妊娠時期と重なって妊婦から赤ちゃんに母子感染する「先天梅毒」の報告も増えている。赤ちゃんが死亡したり後遺症が出たりした例も報告されており、産婦人科医らが危機感を強めている。

引用元:医療法人社団 予防会

抗生物質による治療が可能なので、早期発見のために検査を行ってください。

甲状腺機能異常

甲状腺機能異常

甲状腺機能異常は、月経異常や不妊、不育症や流産の原因になるため、検査が必要です。

甲状腺は、甲状腺ホルモンを分泌して身体のバランスを保ちます。しかし、甲状腺機能異常になると、バランスが崩れ、妊娠にも影響してしまうのです。

甲状腺機能低下症(潜在性甲状腺機能低下症**を含む)は、不妊や流産、早産、妊娠高血圧症候群などのリスクになります。

引用元:妊娠と橋本病 | 国立成育医療研究センター

近年では、若い女性にもよく見られる症状なので、早い段階でのブライダルチェックをおすすめします。

膠原病

膠原病は、皮膚や筋肉、血管に関節など、全身に炎症を起こす病気の総称です。とくに、20~30代の女性の発症率が高く、全身性エリテマトーデスでは、流産や早産のリスクが高くなります。
ただし、膠原病でも妊娠は可能です。

しかし、症状の管理を行う必要があるので、医師と連携をとりながら進めていかなければいけません。

ブライダルチェックにかかる費用

ブライダルチェックにかかる費用

ブライダルチェックの費用は、クリニックによって異なります。単純に設定している金額も異なれば、検査内容も異なるため、一概にいくらとは言えません。あくまで参考相場としては、1~3万円です。

クリニックによっては、検査項目の追加で費用が高くなります。気になるクリニックがあれば、一度費用について相談しておきましょう。

ブライダルチェックでよくある質問

ブライダルチェックでよくある質問

ブライダルチェックについて、よくある質問をまとめました。

とくによくある質問は、以下の3つです。

  • 不妊検査とは違うの?
  • ブライダルチェックはいつ受けるべき?
  • 男性も受けるべき?

それぞれの疑問について、以下で回答します。

不妊検査とは違うの?

不妊検査とブライダルチェックでは、目的が異なります。

それぞれの目的は、以下のとおりです。

  • ブライダルチェック……母体や胎児に悪影響を及ぼす感染症や疾患の検査
  • 不妊検査……妊娠をしにくくさせている根本的な原因の有無の検査

不妊の原因について調べるのであれば、不妊検査。妊娠のためのチェックとして受けるのが、ブライダルチェックです。

ブライダルチェックはいつ受けるべき?

ブライダルチェックはいつ受けるべき?

ブライダルチェックは、どのタイミングでも受けられます。結婚前でも結婚後でも検査可能です。ただし、すぐの妊娠を希望する場合は、早めの受診をおすすめします。

いざ妊娠してから感染症などにかかってしまうと、早産や流産の可能性があるからです。できれば、妊活を行う前に受診しておいた方が良いでしょう。

男性も受けるべき?

ブライダルチェックは、男性でも受けられます。あくまでブライダルチェックの目的は「妊娠に影響する病気がないかどうか」です。不妊の原因は男性にもある可能性があるため、男性でも受診できます。

男性の場合、精液検査が一般的です。ただし、クリニックによっては女性のみを対象としている場合もあるので、事前にクリニックに確認しておきましょう。

ブライダルチェックを将来のために受診しましょう

ブライダルチェックを将来のために受診しましょう

ブライダルチェックは、将来産まれてくる赤ちゃんのために大事な検査です。

結婚を控えている人はもちろん、今結婚を考えていない人でも、早い段階で受けておくと良いでしょう。病気によっては、早い段階の服薬治療で治せる場合があります。

とくに症状もないのに検査を受けるのは、面倒に感じる人もいるかもしれません。しかし、今検査を行っておけば、結婚後に安心して妊活を行えます。

妊娠や出産時にトラブルにならないためにも、ぜひブライダルチェックを検討してください。

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