2022.06.26 Sun

妊娠週数の正しい数え方は?出産予定日の計算方法も解説

妊娠週の正しい数え方|妊娠週をズレて数えると危険?

妊娠すると、妊娠週数を数えて出産を心待ちにする妊婦さんも多いのではないでしょうか。

妊娠週数を把握することで、出産予定日の把握や胎児の成長の確認ができる他、妊娠中に起こる体調の変化に対する理解を深められます。

しかし、妊娠週数の数え方がよくわからないと悩んでいる方もいるでしょう。

本記事では妊娠週数の正しい数え方や出産予定日の計算方法などを解説します。妊娠週数について学びたい方は、ぜひ参考にしてください。

 

「妊娠の体重の目安」に関しては、こちらで解説していますのでぜひ確認してみてくださいね。

妊娠週数の計算方法

妊娠週数の数え方

妊娠週数の計算方法は大きく分けて以下の3つです。

  • 排卵日からの計算|受精後胎齢
  • 最終月経開始日からの計算|月経後胎齢
  • 超音波検査による推定

 

それぞれの計算方法を解説します。

排卵日からの計算|受精後胎齢

「受精後胎齢」は排卵日をもとに妊娠週数を計算する方法です。

受精した日を妊娠0週1日、排卵した日を妊娠2週0日として計算します。排卵した日が妊娠2週0日となるのは、排卵から受精が成立したとされる推定日までの期間が14日であるためです。

ただし、受精後胎齢で計算するには、継続的な基礎体温の記録や排卵検査薬の使用などによって排卵日を把握する必要があります。排卵日を正確に把握することは難しく、あまり一般的な計算方法ではありません。

また、受精した日は性交日を意味するものではない点も注意が必要です。性交日を受精した日だと捉えると計算がずれるため、受精日が明確な体外受精による妊娠での計算に適しているといえます。

 

参照:法務省「妊娠の期間等に関する報告書

最終月経開始日からの計算|月経後胎齢

「月経後胎齢」は最終月経開始日をもとに妊娠週数を計算する方法です。

妊娠がわかる前の最後の月経が始まった日を妊娠0週0日目とし、7日で1週間、4週間で1ヶ月と満日・満週数で表します。また、最終月経開始日から標準的な妊娠期間である280日を加えた日付を出産予定日と推定します。

妊娠発覚前の月経開始日がわかれば計算ができるため、多くの医療機関では月経後胎齢で計算するのが一般的です。

超音波検査による推定

超音波検査は生理不順で妊娠週数がわからない場合でも、胎児の成長度合いを確認することで推定が可能です。

妊娠8~11週の頭殿長(胎児の頭からお尻までの長さ)をもとに、妊娠週数を推測します。

妊娠初期の胎児の成長度合いであれば、あまり個人差はありません。超音波検査で胎児の大きさを確認し、妊娠週数とともに出産予定日の算出が可能です。

ネーゲレ概算法での出産予定日の計算方法

妊娠週数から計算できる出産予定日

出産予定日を計算する場合、一般的に行われるのがネーゲレ概算法による計算です。ネーゲレ概算法では、月経周期を28日として出産予定月と出産予定日を計算します。

ネーゲレ概算法の計算方法は以下のとおりです。

  • 出産予定月:最終月経があった月−3(最終月経が1~3月の場合は+9)
  • 出産予定日:最終月経開始日+7

 

たとえば、最終月経開始日が6月7日の計算式は以下のとおりです。

  • 6月−3=3月
  • 7日+7=14日

 

つまり3月14日が出産予定日となります。

なお、最終月経の月が1~3月だった場合は9を足して計算します。1月7日であれば10月14日が出産予定日です。

出産予定日を確認するには、専用の妊娠アプリを活用するのもおすすめです。アプリでは最終月経開始日を入力するだけで、妊娠週数や出産予定日を簡単に計算できます。

妊娠週数カレンダーから見る月数

妊娠期間の区分

妊娠週数カレンダーをもとにした妊娠月数は以下のとおりです。

妊娠週数月数
0~3週妊娠1ヶ月
4~7週妊娠2ヶ月
8~11週妊娠3ヶ月
12~15週妊娠4ヶ月
16~19週妊娠5ヶ月
20~23週妊娠6ヶ月
24~27週妊娠7ヶ月
28~31週妊娠8ヶ月
32~35週妊娠9ヶ月
36~39週妊娠10ヶ月
40~43週妊娠11ヶ月

 

1週間を0~6日の7日、4週間で1ヶ月と考えるため、1ヶ月の日数は28日です。妊娠10ヶ月が臨月にあたります。妊娠週数や月数は満で数えるため、たとえば妊娠0週1日であっても妊娠0ヶ月ではなく妊娠1ヶ月となります。

古くから妊娠期間は十月十日といわれていることから、10ヶ月間と10日で生まれると勘違いしている人も少なくありません。しかし、満9ヶ月と10日が正しい意味であり、多くの場合10ヶ月よりも早く生まれます。

妊娠週数から見る妊娠期間の区分

妊娠中期

妊娠週数をもとに、妊娠期間は以下の3つに区分されます。

  • 妊娠初期(~13週6日)
  • 妊娠中期(14週~27週6日)
  • 妊娠後期(28週0日~)

 

各期間の特徴を解説します。

妊娠初期(~13週6日)

妊娠初期は~13週6日までの期間で、月数でいえば妊娠1~4ヶ月半に該当します。

妊娠2週目が受精した日と考えられ、8~11週頃には胎児の頭や手足、臓器などの形が形成されます。胎児の心拍が確認できるようになるのもこの時期です。

妊娠検査薬で妊娠の可能性を調べられるようになるのは、妊娠5週目にあたります。この時期になれば、最終月経から1ヶ月以上経過しており、妊娠中に分泌されるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の検知が可能です。

また、吐き気や嘔吐、頭痛などのつわりが起こるのも妊娠初期の特徴です。妊娠4、5週目から起こり、多くの場合15週頃まで続きます。さらに、胎児の成長に伴って子宮が大きくなるため、下腹部に痛みや違和感を覚えることもあります。

妊娠12週以降は、お腹の膨らみが見た目にも目立ちはじめる時期です。妊娠初期はまだ胎児も妊婦さんも不安定な時期で、なんらかの要因によって流産が起こる可能性もあります。体調を優先して安静に過ごすことが大切です。

 

参照:公益社団法人日本産婦人科医会「(1)妊娠時期の特徴と正常妊娠・異常妊娠

妊娠中期(14週~27週6日)

妊娠中期は14週0日~27週6日までの期間で、月数では妊娠4ヶ月半~7ヶ月の約3ヶ月半が該当します。

胎児の動きが活発になり、妊婦さんも胎動を感じられるようになります。聴覚も発達して声をかけると胎児が反応することもあり、コミュニケーションを楽しめるようになるでしょう。妊娠6ヶ月頃には外性器の確認が可能になり、胎児の性別がわかるようになります。

また、胎盤が完成して安定期に入り、流産の可能性が低くなる時期です。妊婦さんのつわりも落ち着き、体調が安定しやすくなります。

ただし、胎児の成長にあわせて周囲の内臓を圧迫するため、便秘や腰痛、腹痛などが起こることもあります。また、早期に胎盤が剥がれてしまったり、細菌感染による流産・早産が起こったりする可能性があるため、無理しない生活を心がけましょう。

 

参照:公益社団法人日本産婦人科医会「(1)妊娠時期の特徴と正常妊娠・異常妊娠

妊娠後期(28週0日~)

妊娠後期は妊娠28週0日以降の期間で、月数では8ヶ月以降を指します。

胎児も妊婦さんも出産に向けて準備を進める時期です。胎児の臓器の形や働きもほぼ完成し、胎児の体重が一気に増加します。妊娠中期まで逆子だった場合でも、妊娠32~36週頃には頭を下向きにした頭位になります。

胎児の成長が進むため、妊婦さんのお腹がますます大きくなる時期です。お腹の張りや骨盤周りの痛みなどを感じることもあります。妊娠37週を迎えると、次に紹介する正期産に該当し、いつ生まれてもおかしくない時期になります。

 

参照:国立研究開発法人「逆子(さかご)について

妊娠週数から見る出産時期の区分

出産時期の区分

出産時期は、妊娠週数をもとに以下の3つに分けられています。

  • 正期産(せいきさん)
  • 早産
  • 過期産(かきさん)

 

それぞれの特徴を解説します。

正期産(せいきさん)

正期産は妊娠37週0日~41週6日目までに出産することを指します。

令和3年に実施された国の調査では、一人の赤ちゃんを出産する単産での分娩の約95%、双子以上の多胎での分娩の約50%が正期産です。このことから、ほとんどの赤ちゃんが正期産で生まれていることがわかります。

 

参照:厚生労働省「令和3年度「出生に関する統計」の概況

早産

早産は妊娠22週0日~36週6日までの出産を指します。早産は単産での分娩では約5%ですが、双子以上の多胎での分娩では約50%と割合が高くなります。

胎児の成長がまだ未熟な状態のため、出産後には新生児集中治療室(NICU)での治療が必要です。また、早産の時期が早いほど重篤な障害が残りやすくなります。

早産の主な原因は、感染症や多胎妊娠、羊水過多、喫煙などです。他にも、胎児育成不全や妊娠高血圧症候群によって母子の健康状態が悪化したことを理由に、人工的に早産させることもあります。

なお、妊娠22週未満での出産は流産として扱われます。

 

参照:公益社団法人日本産科婦人科学会「早産・切迫早産
参照:厚生労働省「令和3年度「出生に関する統計」の概況

過期産(かきさん)

過期産は妊娠42週目以降での出産を指します。割合は出産全体で約1%未満です。

過期産の分娩では、胎児の体重増加によって母子への影響が大きくなる恐れがあります。妊婦さんに及ぼす影響として、挙げられるのは以下のとおりです。

  • お産が途中で止まる
  • 出産時に赤ちゃんの肩が出ず難産になる
  • 産後の出血が止まらなくなる

 

また、胎児も分娩時に鎖骨を骨折したり、羊水や胎便を吸入したことによる呼吸障害を超したりする可能性も高まります。

出産予定日を過ぎたとしても、正期産の期間中であればそれほど気にする必要はありません。しかし、正期産の期間中に陣痛が来なかった場合は、人工的に陣痛を起こす「分娩誘発」や帝王切開などが行われます。

 

参照:厚生労働省「令和3年度「出生に関する統計」の概況
参照:国立研究開発法人国立育成医療研究センター「予定日を過ぎているのに、生まれない!(予定日超過)

妊娠週数を正しく理解して出産にそなえましょう

早産

妊娠週数は、お腹の赤ちゃんが成長しているか、そして妊婦さんの体が順調に変化しているかを測る大切なバロメーターです。

正しい計算方法や数え方を理解することで、赤ちゃんとの触れ合いをよりいっそう楽しみ、健やかな妊娠生活を送れるようになります。また、出産時期が予測できれば出産に向けての準備を進めることも可能です。

妊娠週数について正しく把握し、母子ともに健やかな出産を迎えられるように準備しましょう。

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