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広汎性発達障害は遺伝する?症状の特徴と主な原因、検査方法を解説

広汎性発達障害を持つ子どもは、コミュニケーション能力や社会性が弱い傾向にあり、社会生活を送るうえで困難を感じやすいといえます。ただし、症状の程度には個人差があるため、人によってはほとんど問題なく社会生活を送れるケースもあります。

 

ここでは、そんな広汎性発達障害の基礎知識をご紹介しながら、主な原因や検査方法についてお伝えしていきます。広汎性発達障害と遺伝との関係について適切に理解しながら、今後に控える出産や育児に備えましょう。

 

広汎性発達障害の基礎知識

まずは、広汎性発達障害の基礎知識をご紹介します。症状の程度には個人差が大きく、場合によっては本人や周囲の人から認識されにくいことも含めて、理解しておきましょう。

 

広汎性発達障害とは?

広汎性発達障害は、生まれつきの神経発達障害のひとつです。コミュニケーション能力や社会性が弱い傾向にあったり、あるいは本人が独自のこだわりを持っていたりすることから、社会生活を送るうえで困難に陥りやすいのが特徴です。「PDD(Pervasive Developmental Disorders)」という略称で呼ばれることもあります。

 

広汎性発達障害の診断分類は、『ICD-10』と『DSM-5』のそれぞれで異なります。『ICD-10』とは、世界保健機関(WHO)による基準のことです。こちらの分類では、広汎性発達障害のなかに自閉症・アスペルガー症候群・レット症候群・小児期崩壊性障害・特定不能の広汎性発達障害などが含まれます。一方で、米国精神医学会による最新の基準『DSM-5』では、広汎性発達障害の名称と下位分類が廃止され、代わりに自閉スペクトラム症(ASD)という診断分類が設けられました。これにより、2022年に正式に発効予定の『ICD-11で、過去の分類が見直される見込みです。現状、国内では「広汎性発達障害」の名称を使用する医療機関が多くありますが、今後は新たな分類が導入され周知されていくことになります。

 

広汎性発達障害の症状の程度は、個人差が大きいといえます。特性によって社会生活に著しく支障をきたすケースもあれば、表面的にはほとんど問題なく社会生活を送れるケースもあるのです。そのため、広汎性発達障害を持つ方のなかには、幼少期に特性を認識されず、成長して大人になってから気づく場合が少なからずあります

 

広汎性発達障害の主な症状

広汎性発達障害の症状として主に挙げられるのは、対人関係が苦手であることです。通常よりもコミュニケーション能力や社会性が弱いという特性から、他人との距離感を掴むのが難しいといえます。また、多くの人が自然とこなしているように、相手の感情やその場の空気を読み取ったり会話の微妙なニュアンスを理解したりすることができません。身の回りの方から誤解されやすく、理解してもらうのが難しい場合もあるでしょう。これらの症状から、集団のなかで過ごす必要のある社会生活で苦労しやすいのです。

 

また、独自のこだわりが強いのも広汎性発達障害の主な症状のひとつです。本人の興味関心の対象には大きな偏りがあり、何事も決まったやり方にこだわる傾向にあります。同じ動作に没頭しやすいといった特性も見られるようです。このような特性を生かして、特定の分野で成果をあげる方もいらっしゃいます。その一方で、臨機応変な対応ができないため困難に陥ったりパニックを起こしてしまったりする可能性もあるでしょう。

 

さらに重度の広汎性発達障害になると、他人への関心をほとんど示さず、また一方的に話してしまうことで、相手との会話を成立させられない場合があります。人の呼びかけに反応したり、アイコンタクトを取ったりといった、基本的なコミュニケーションができないケースや、言語能力に遅れが見られるケースもあります。こうした重度の広汎性発達障害では、周囲の方が本人の特性について理解し、配慮することが大切です。

 

広汎性発達障害の主な原因と遺伝の可能性

広汎性発達障害の主な原因や、親子での遺伝の可能性についてお伝えします。原因に関する知識を身に着けて、適切な対応ができるよう心がけましょう。

 

広汎性発達障害の主な原因

広汎性発達障害の発症について、現状では特定の原因は明らかになっていません。ただし、生まれつき脳に小さな異常があることにより、症状が引き起こされると考えられています。先天的な遺伝要因と環境要因とが複雑に相互作用することで、広汎性発達障害が発現し、そして症状の程度に個人差が出ると見られています。

 

したがって、子どもの育て方が原因で広汎性発達障害を発症することはありません。ただし、子どもの育った環境が症状の状態を左右することはあり得ます。広汎性発達障害は生まれつきの神経発達障害であり、親の育児に問題があるために発症したり、大人になってから突然に発症したりするわけではないことを、十分に理解しておきましょう。

 

遺伝の可能性

親が広汎性発達障害の場合、必ずしも子どもに広汎性発達障害が遺伝するわけではありません。その反対に、親が広汎性発達障害でなくても子どもが広汎性発達障害を持って生まれてくる可能性はあり得ます。親子で遺伝する確率については、まだ研究が進められている段階で、詳しいことは明らかになっていないのが現状です。いずれにせよ、親の広汎性発達障害が100%子どもに遺伝するとはいえません

 

広汎性発達障害の有無を検査する方法

広汎性発達障害の有無について、出生前に検査する方法はありません。また、診断は特定の検査結果だけでなく、幅広い情報をもとに総合的に行われることになります。

 

出生前に検査する方法はない

生まれてくる子どもの広汎性発達障害の有無について、妊娠中に検査する方法はありません。妊婦さんが胎児の健康状態を調べる方法には「出生前診断」がありますが、検査で調べられるのは主に染色体異常の有無です。子どもの広汎性発達障害の診断は、医療機関での検査のほか、保護者や教育機関の指導者から提供される情報をもとに、総合的に行われます。子どもが社会生活を送る年齢に達し、集団のなかで広汎性発達障害の症状や特性が現れてから、医療機関を受診するのが一般的な流れです。

 

なお、胎児の先天異常を調べる出生前診断のなかで、代表的な検査方法として「NIPT(新型出生前診断)」や「羊水検査」などが挙げられます。NIPTの検査で調べられるのは「ダウン症候群(21トリソミー)」「エドワーズ症候群(18トリソミー)」「パトー症候群(13トリソミー)」などの疾患です。妊娠中に先天異常を把握しておくために検査を受け、出産へ向けて準備をする妊婦さんも多くいらっしゃいます。胎児の健康状態を早めに知りたいときは、NIPTをはじめとした出生前診断の検査をご検討ください

 

問診を中心に総合的に診断を行う

子どもの広汎性発達障害が疑われるとき、一般的には『ICD-10』または『DSM-5』に準拠して診断が行われます。医療機関では、子どもへの問診や心理検査・知能検査が実施されるほか、子どもの周囲にいる学校の先生や家族などの大人に対して、普段の生活の様子について聞き取りが行われます。このように、広汎性発達障害の有無は特定の検査結果のみで診断されるわけではないのです。また、血液検査や遺伝子検査のように、生理学的な検査で調べることもできません。もしも医療機関を受診したら、どのような方法で広汎性発達障害の有無を確認するのか、あらかじめ知識を身に着けておきましょう。

 

妊娠中の出生前診断でわかること

今回は、広汎性発達障害の基礎知識についてお伝えしました。広汎性発達障害は生まれつきの神経発達障害です。本人の特性が影響して、社会生活を送るうえで困難に陥りやすい傾向にあります。広汎性発達障害の原因は、先天的な脳の小さな異常だと考えられていますが、特定の原因はまだ明らかになっていないのが現状です。ただし、子どもの育て方は発症と関係がなく、親が広汎性発達障害である場合も、必ず子どもに遺伝するわけではありません

 

広汎性発達障害の有無は、まず子どもが社会生活を送る年齢に達して、集団のなかで症状が見られる場合に疑われるようになります。妊娠中の出生前診断では、広汎性発達障害の有無を調べることができないため、留意しておきましょう。出生前診断の検査で調べられるのは、主に胎児の染色体異常です。たとえば、出生前診断のNIPT(新型出生前診断)では、「ダウン症候群(21トリソミー)」「エドワーズ症候群(18トリソミー)」「パトー症候群(13トリソミー)」などの疾患の有無を調べられます。

 

平石クリニックでは、妊婦さんへの採血のみで実施できる、安全性の高いNIPTの検査を提供しています。NIPTの検査は、流産のリスクがほとんどないのが特徴です。当院のNIPTは、妊婦さんの年齢制限がございません。また、平日と土日に検査を受けられ、最短6日で検査結果をお伝えしています。出産へ向けて備える目的で出生前診断を検討するなら、どうぞお気軽に平石クリニックまでご相談ください。

運営者情報
NIPT平石クリニック

院長紹介
(ヒライシ タカヒサ)


専門は内科、消化器科、スポーツ医学。
いつでも頼りになる医療を、さらに日々進化する医療を常に身近に、皆様にとって、なんでも相談出来るようなクリニックを目指しております。

高齢出産が増えている傾向にある日本で、流産のリスクを抑えた検査が出来るNIPT(新型出生前診断)の重要性を高く考え、広く検査が知れ渡りみなさまに利用していただける事を目指しております。


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