「つわりがつらくて軽減できるものを試したい」「エビオス錠がつわりに効果があるって本当?」
栄養補給薬である「エビオス錠」は、つわりの軽減にも効果が期待できるといわれています。そのためエビオス錠を試してみたいと考えている妊婦も多いでしょう。
この記事では、エビオス錠が妊婦にどのような効果をもたらすのかを詳しく解説します。また、エビオス錠の成分や服用方法についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
エビオス錠とは?
エビオス錠は、アサヒグループ食品が販売している天然素材のビール酵母から生まれた栄養補給薬です。
ビール酵母はビール作りに欠かせない酵母で、大麦などの穀物に含まれる栄養をたっぷり吸収して育ちます。栄養豊富なビール酵母を乾燥させて錠剤にしたものがエビオス錠です。
エビオス錠には、ビタミンB1・B2・B6やアミノ酸、ミネラルなど約40種類の栄養成分が豊富に含まれています。
エビオス錠は1930年に誕生し、栄養価の高さから発売当初は国民病である脚気の治療薬として活用されました。現在では、栄養補給はもちろん胃腸の働きを助ける医薬部外品として人気の高い商品です。
ちなみに、エビオス錠はビール工場があった「恵比寿」とラテン語で「命の元」を意味する「BIOS」を組み合わせたことが名前の由来となっています。
エビオス錠は妊娠中に服用して大丈夫?
エビオス錠は天然由来の成分で作られているため、妊娠中でも問題なく服用できます。エビオス錠に含まれているビール酵母は、発酵する能力はない死んだ酵母のため、アルコールは含まれていません。
さらに、エビオス錠のビール酵母は熱処理により消化性や吸収性を高めており、栄養素を効率よく補給しやすくなっています。
そのため、エビオス錠の公式サイトにも妊娠中や授乳中の栄養補給に服用できると記載されています。
エビオス錠は、病気の治療や予防を目的とする薬ではなく医薬部外品です。サプリメントよりも具体的な効能や効果が期待できることも特徴です。
ただし、基礎疾患や妊娠中の合併症(妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病など)がある場合は胎児への影響が懸念されます。これらの疾患がある場合は服用前に医師へ相談しましょう。
また、エビオス錠にはプリン体が多く含まれているため、プリン体代謝異常のある方や痛風の家族歴がある方は注意が必要です。ごく稀に、吐き気や息苦しさなどのアレルギー反応が出る場合もあります。
異常を感じた際はすぐに服用を中止し、医師に相談することが大切です。
つわりに対するエビオス錠の効果
妊娠中のつわりに対して、エビオス錠には主に3つの効果があります。
- 胃腸症状の緩和・改善
- 栄養補給
- 必須アミノ酸の補給
詳しく確認していきましょう。
胃腸症状の緩和・改善
エビオス錠は、胃腸症状の緩和に効果があるとされています。効果的とされている胃腸の不調な症状については以下のとおりです。
- 胃もたれ
- 胸焼け
- 吐き気
- 嘔吐
- 消化不良
- 食欲不振
- お腹の張り
エビオス錠に含まれる乾燥酵母には、弱った胃腸の働きを活発にする効果が期待できます。つわりの症状は、胃もたれや吐き気、食欲不振などの胃腸症状も多く、エビオス錠が役に立つと考えられます。
栄養補給
エビオス錠は、妊娠時の栄養補給にも役立ちます。
妊娠中は胎児や妊婦自身の健康維持のために、十分な栄養補給が必要です。しかし、妊娠初期はつわりの影響で食欲が低下してしまい、栄養がきちんと摂れないこともあります。
エビオス錠は、ビタミンやミネラル、アミノ酸など約40種類の栄養成分を一度に摂取できます。食事だけでは補いきれない栄養素を効率的に摂ることが可能です。
必須アミノ酸の補給
エビオス錠は、胎児の成長に不可欠な必須アミノ酸の補給にも活用できます。
とくに、妊娠初期は胎児の体や内臓が形成される重要な時期で、十分なたんぱく質とアミノ酸の摂取が必要です。
たんぱく質は20種類のアミノ酸で構成されています。20種類のうち9種類は必須アミノ酸と呼ばれ、体内で作ることができないため食事から摂取する必要があるのです。
必須アミノ酸は、牛肉やマグロの赤身などに多く含まれていますが、つわりの影響で食欲が低下すると摂取が難しくなることもあります。
エビオス錠は、必須アミノ酸9種類を含む18種類のアミノ酸が含まれているため、十分なアミノ酸の補給が可能です。
エビオス錠の成分
エビオス錠には、15歳以上の1日の摂取量30錠あたりに以下の栄養成分が含まれています。
詳しく確認していきましょう。
一般組成
一般組成は、エビオス錠に含まれる主要な成分のことです。エビオス錠には、たんぱく質や食物繊維などの栄養素がバランスよく含まれています。
エビオス錠に含まれる、一般組成の一覧は以下のとおりです。
成分 | 含有量 |
---|---|
エネルギー | 22.3kcal |
糖質 | 0〜0.40g |
たんぱく質 | 3.9g |
食物繊維 | 2.0g |
脂質 | 0.28g |
ナトリウム | 1.6mg |
ビタミン
エビオス錠には9種類のビタミンが含まれています。
成分 | 含有量 |
---|---|
ビタミンB1 | 0.72mg |
ビタミンB2 | 0.20mg |
ビタミンB6 | 0.17mg |
葉酸 | 92μg |
パントテン酸 | 0.34mg |
ビオチン | 9.3μg |
ナイアシン | 3.1mg |
なかでも、葉酸とビタミンB群は妊婦にとって重要な栄養素です。妊娠初期に葉酸を摂ることで、胎児の神経管閉鎖障害を防ぐ効果があるとされています。
また、ビタミンB群の摂取は生まれた子の情緒や多動に関する問題を予防する可能性があると示唆されています。
参照:e-ヘルスネット「葉酸とサプリメント ‐神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果」
参照:愛媛大学「妊娠中の葉酸、ビタミンB類摂取が幼児の行動的問題に予防的であると示唆」
ビタミン関連化合物
ビタミン関連の化合物は、胎児の発達に欠かせない重要な栄養素です。エビオス錠には、以下のビタミン関連化合物が含まれています。
成分 | 含有量 |
---|---|
イノシトール | 26mg |
コリン | 19mg |
イノシトールは、妊婦糖尿病や早産を防ぐ可能性があると考えられています。また、コリンは胎児の脳の成長をサポートするために必要な栄養素とされています。
ミネラル
エビオス錠には、9種類のミネラル成分が含まれています。
成分 | 含有量 |
---|---|
カルシウム | 8~23mg |
銅 | 0.02mg |
鉄 | 0.59mg |
亜鉛 | 0.43mg |
カリウム | 124mg |
マンガン | 0.05mg |
マグネシウム | 14mg |
セレン | 3.4μg |
リン | 103mg |
なかでもカルシウムは、胎児の神経や器官、骨の発達に欠かせない栄養素です。
また、妊娠中は胎児に栄養を届けるために、妊娠前より約2倍の血液量が必要になります。鉄分の不足は胎児の脳の発達に影響を与える可能性があるため、鉄分も積極的に摂取したい栄養素といえます。
たんぱく質(アミノ酸組成として)
エビオス錠には、たんぱく質を構成するために必要な20種類のアミノ酸のうち、18種類が含まれています。
成分 | 含有量 |
---|---|
リジン | 290mg |
チロシン | 112mg |
イソロイシン | 170mg |
ヒスチジン | 91mg |
ロイシン | 265mg |
アルギニン | 210mg |
メチオニン | 61mg |
アラニン | 254mg |
フェニルアラニン | 160mg |
アスパラギン酸 | 377mg |
スレオニン | 190mg |
グルタミン酸 | 450mg |
トリプトファン | 51mg |
グリシン | 167mg |
バリン | 206mg |
プロリン | 138mg |
シスチン | 36mg |
セリン | 201mg |
胎児の発育には、リジンやロイシンなどの必須アミノ酸が不可欠です。エビオス錠は体内で作れない必須アミノ酸を補い、胎児の健やかな成長を促します。
また、非必須アミノ酸のアルギニンには疲労回復に効果があるとされ、妊娠中の疲労軽減が期待できます。
総グルタチオン
成分 | 含有量 |
---|---|
総グルタチオン | 15mg |
グルタチオンは抗酸化作用を持ち、細胞を酸化ストレスから保護する働きがあります。また、免疫力の向上や解毒作用もあり、健康維持に役立つ成分です。
核酸
エビオス錠には、デオキシリボ核酸(DNA)とリボ核酸(RNA)が含まれています。
成分 | 含有量 |
---|---|
DNA | 9.0mg |
RNA | 221mg |
核酸は、細胞分裂や増殖において重要な役割を果たします。
妊娠中は、胎児の成長と発達に必要な細胞の形成が活発に行われるため、十分なたんぱく質の摂取が必要です。
核酸は遺伝情報を伝達し、情報にもとづいてたんぱく質を合成します。そのため、胎児の成長に必要なたんぱく質の合成には核酸が不可欠です。
さらに、核酸には免疫力を高め疲労を回復する効果もあるとされています。
プリン体
成分 | 含有量 |
---|---|
プリン体 | 113.3mg |
プリン体は、核酸の中に存在し細胞の代謝や増殖をサポートする重要な成分です。
しかし、プリン体は体内で尿酸に変わるため、高尿酸血症や痛風の原因となることがあります。
一般的に、プリン体の一日の摂取量は400mg以下が推奨されています。エビオス錠のプリン体の含有量は、推奨される摂取量に対して少なく、過度に心配する必要はありません。
ただし、プリン体はほとんどの食品に含まれており、食事とあわせて摂取すると摂取量が増える傾向があります。そのため、プリン体の摂取を制限されている場合は、エビオス錠の服用前に医師に相談しましょう。
エビオス錠の服用方法
エビオス錠は、1回10錠を1日3回、食後に水またはぬるま湯で服用します。
1日の合計摂取量が30錠と多めですが、飲みにくい場合は体調に応じて量を調整することも可能です。ただし、エビオス錠の効果を十分に得るためには、適量を守って服用することが大切です。
エビオス錠は大きめの錠剤で、酵母独特の香りがあります。つわり中は、硬い錠剤が喉を通りづらく酵母の香りが刺激になることがあるため、はじめて服用する場合は少量から試してみるとよいでしょう。
エビオス錠は、300・600・900・1200・2000錠入りの5種類が販売されています。はじめて服用する方や少量から試したい方には、300錠入りのタイプがおすすめです。
エビオス錠を取り入れてつわりの軽減につとめよう
エビオス錠は、妊娠中の栄養補給やつわりの軽減に効果が期待できます。また、エビオス錠に含まれる栄養素は胎児の発達もサポートします。
ただし、一日に服用する量が多く独特な香りがあるため、人によっては飲みにくさを感じることもあるでしょう。そのため、まずは少量タイプから試してみるのがおすすめです。
つわりで悩んでいる方は、ぜひ一度エビオス錠を試してみてください。妊娠中のつわりによる不快な症状を和らげ、穏やかな毎日を送るサポートしてくれるでしょう。
大切な命と安心な出産のために
当院では、ご希望される妊婦様、ご家族様がNIPT検査内容を理解して受けられる環境をご提供します。
新型出生前診断・NIPTは、お母さまの血液から胎児の3種類の染色体異常を調べることができる、スクリーニング検査です。
運営者情報
NIPT平石クリニック
高齢出産が増えている傾向にある日本で、流産のリスクを抑えた検査が出来るNIPT(新型出生前診断)の重要性を高く考え、広く検査が知れ渡りみなさまに利用していただける事を目指しております。