これから妊娠・出産を考えている女性や妊婦さんにとって、先天異常を持った赤ちゃんが生まれる可能性があるのだとしたら、大きな心配事だと思います。重い先天異常を持った赤ちゃんが生まれる確率は約2~3%と言われています。低い確率ですが、重い先天異常によって胎児死亡などが引き起こされる場合もあります。また、両親の心理的負担となる可能性も考えられます。今回は先天異常を発見する出生前診断である超音波による胎児スクリーニングと新型出生前診断(NIPT)についてご紹介します。
超音波による胎児スクリーニングとは?
超音波による胎児スクリーニングは『胎児超音波スクリーニング』『超音波胎児スクリーニング』『胎児ドック』などとも呼ばれ、非確定的検査に分類されます。ではこの検査について詳しく見ていきましょう。
超音波による胎児スクリーニングの特徴や目的
超音波による胎児スクリーニングは、超音波により胎児に先天性の異常がないかどうかをエコーで調べる検査です。医師や超音波検査士が検査を担当する精密検査となります。産科・産婦人科の外来で受けることができ、検査に要する時間は約15分です。
この超音波検査は出生前診断に該当し、すべての妊婦さんを対象に行う妊娠検診の超音波検査とは異なります。妊娠検診での超音波検査は、胎児の発育状況を調べるものです。対して、超音波による胎児スクリーニングは、胎児に異常がないかどうかを通常の妊娠検診には含まれない細かい部分まで観察するもので、基本的に希望者が受けるものです。通常の妊娠検診と同様、羊水量や胎盤、臍帯などをチェックすることも含まれています。
現在の胎児超音波検査では、このような胎児の詳細な検査や4Dエコーを用い、胎児の動きや表情がよりリアルに観察できるようになっています。
検査でわかる異常の例
妊娠後に超音波による胎児スクリーニングで見つかる胎児の先天異常の例としては、
・頭蓋骨欠損:無脳症
・胚や心臓の圧迫:胸水、横隔膜ヘルニア
・脊椎の変形:二分脊椎
などがあります。
また、明らかな異常とは言えないのですが、胎児の状態が少し気になる、異常が潜んでいるかもしれない状態が見つかることもあります。その一つの所見がNT(Nuchal Translucency)という妊娠初期に見られる胎児の首の後ろに認められるむくみです。
一般的に、重症であるほど異常の程度が大きいため、検査によって発見されやすい傾向にあります。
超音波による胎児スクリーニングで異常が見つかった場合
妊娠中、超音波による胎児スクリーニングで異常が見つかった場合、胎児または生まれた赤ちゃんに適切な治療が行えるよう、高次医療機関が紹介されます。超音波検査で直接診断できるケースもありますが、例えば染色体異常など、診断のために追加の精密検査が必要になるケースもあります。
超音波による胎児スクリーニングを受ける時期と注意点
では、超音波による胎児スクリーニングを受ける時期と注意点について詳しく見ていきましょう。
検査を受ける時期
超音波による胎児スクリーニング検査を受ける時期は妊娠中期を推奨する病院が多いです。妊娠中期とは妊娠週数14週~27週を指します。胎児が小さすぎると胎児の細部を超音波で写すことは難しく、胎児が大きすぎると胎児の骨が石灰化するため、超音波が遮られます。そこで、妊娠20週前後が胎児の細部を確認しやすい時期とされています。
妊娠初期(10週~13週)または後期(28週~30週)に受けられる検査を提供しているところもあります。早期に異常が見つかった場合、出生前の準備やカウンセリングを受けるために時間をかけられるメリットがあります。また、小腸閉鎖症や四肢短縮症など胎児が大きくなってからの方が見つけやすい異常もあります。
検査の注意点
超音波による胎児スクリーニング検査の注意点は、検査結果が正常だったとしても、「先天性の異常がない」と100%保証されるわけではないことです。
超音波による検査には限界があります。知的障害や視覚障害、聴覚障害など体の形から判別のつかない異常はわかりません。また、ダウン症候群など遺伝子に関する異常はわかりません。さらには、小さい心室中隔欠損のうち、あまりに小さいものもこの検査では発見することができません。
胎児スクリーニングの中で難しいとされるのが、胎児心奇形の診断です。例えば、出生後早期に手術を要する重症奇形でさえ、出生前に発見できないことも珍しくありません。
スクリーニング検査の結果に、胎児の位置や羊水量なども影響してきます。
とは言え、一般的に重度の先天異常の約70~80%はこの検査で発見できると言われていますので、検査結果が正常であれば先天異常の可能性は低いと考えられます。
超音波による胎児スクリーニングと新型出生前診断(NIPT)の比較
ここからは、出生前診断である超音波による胎児スクリーニングとNIPTを比較し、その違いをご説明します。
新型出生前診断(NIPT)とは
新型出生前診断とは、NIPTとも言われる出生前診断の一つです。新型出生前診断(NIPT)は妊婦さんの血液から胎児の染色体異常を調べる遺伝的検査です。胎児由来のDNA(セルフリーDNA)は胎盤から漏出し、母体の血液中を循環しています。母体血を採血し、胎児由来のDNA断片がどの染色体由来であるか機械を用いて検出し、染色体異常を確認します。NIPTはわずかな採血で検査でき、流産や感染症のリスクはありません。また、実際異常があるにも関わらず、検査結果が「陰性」と出てしまう偽陰性であることがほとんどなく、精度の高い正確な検査です。
2008年に開発された新しい検査で、日本では2013年に臨床研究として導入されました。
超音波による胎児スクリーニングとNIPTの違い
超音波による胎児スクリーニングとNIPTとでは、判明する異常の種類が異なります。前述したように、超音波による胎児スクリーニングでは、体の形から判別がつく形態的な異常がわかりますが、NIPTでわかるのは染色体異常です。また、染色体の構造異常である微細な欠失も検査でわかります。
例えば、NIPTでは染色体の数が2本ではなく3本になってしまっている状態が判定できます。判定できるのは以下の3つの染色体異常です。
- ダウン症候群(21トリソミー):通常2本存在する21番染色体が、重複し3本存在する異常
- エドワーズ症候群(18トリソミー):通常2本存在する18番染色体が、重複し3本存在する異常
- パトー症候群(13トリソミー):通常2本存在する13番染色体が、重複し3本存在する異常
NIPTは妊娠10週以降から受けられる検査です。自由診療となりますので、基本的には全額自費負担となります。
平石クリニックの新型出生前診断(NIPT)の特徴
では、平石クリニックにおける新型出生前診断(NIPT)の特徴をご紹介します。
まずは、平石クリニックで新型出生前診断(NIPT)を受けるのに年齢制限はありません。
また、希望により、認定遺伝カウンセラーによる無料の電話相談が受けられます。こちらは事前予約制となっています。
平日だけでなく土日も検査することができ、最短6日で検査結果がわかります。
検査結果が陽性だった場合、確定検査の羊水検査にかかる費用はクリニックが全額負担します。
平石クリニックの新型出生前診断ではインターネットから予約もおとりできます。下記のURLからご予約をお受けしています。
http://www.nipt-clinic.jp/column/lp/
出生前診断により妊婦さんと赤ちゃんの体を守り、適切な準備を!
お産を前に、お腹の赤ちゃんが無事に育っているかどうか、病気でなはいかと不安な妊婦さんも多いと思います。赤ちゃんの状態に合わせて安心・安全な出産を行うためにも有用である出生前診断が超音波による胎児スクリーニングとNIPTです。検査により赤ちゃんの状態を知ることで、妊婦さんや赤ちゃんの体を守ることができ、それぞれの状態に合った適切な準備をすることができるでしょう。ご夫婦・ご家族で、検査についてしっかりと話し合った上で検討してみてください。
運営者情報
NIPT平石クリニック
高齢出産が増えている傾向にある日本で、流産のリスクを抑えた検査が出来るNIPT(新型出生前診断)の重要性を高く考え、広く検査が知れ渡りみなさまに利用していただける事を目指しております。