出生前診断(出生前診断)とは?
出生前診断とは、赤ちゃんがお母さんのお腹にいるときに特定の先天性異常がないかどうか調べる検査です。出生前診断と聞くと、赤ちゃんの異常を全て把握できると思っている方もいますが、実際には一部の先天異常の有無がわかるだけです。しかし、出生前診断で事前にどのような異常があるかどうかが妊娠中にわかっていれば、赤ちゃんを出産後すぐに対応できるような病院で生むように計画することも可能です。
出生前診断には大きく分けて非確定的検査と確定的検査の2種類があります。
非確定的検査はあくまで先天性異常の可能性を評価するためのもので、もし検査の結果が陽性であっても先天性異常の可能性が高いというだけであって、赤ちゃんが確実に異常があるとは診断できません。対して確定的検査は、赤ちゃんに確実に異常があるかどうかを診断することができます。
出生前診断の種類について
非確定的検査と確定的検査にはそれぞれどのような検査方法があるのか、検査の概要を感度と合わせてご紹介します。
※感度:実際に染色体疾患を持つ赤ちゃんのうち、検査で陽性として検出できる割合
非確定的検査
母体血清マーカー検査
母体血清マーカー検査は、母体の血液中に含まれる成分であるAFP, 非抱合型E3,hCG,インヒビンAを測定して、胎児に特定の先天異常がある確率を出すスクリーニング検査です。母体の血液中のAFP,非抱合型E3,hCGの3種類を測定する場合には「トリプルマーカーテスト」、AFP,非抱合型E3,hCG,インヒビンAの4種類を測定する場合には「クアトロテスト」とよびます。
この検査を行うことで、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、開放性神経管欠損症の3つの確率を調べることができます。
妊娠15週0日から妊娠21週6日までは検査が可能ですが、検査結果によっては確定診断のための染色体検査を実施することがあるので妊娠16週頃までに受けるとよいです。
母体血清マーカー検査の感度:83%
※21番トリソミー(ダウン症候群)に対して
関連記事:クアトロテストとは?
新型出生前診断(NIPT)
最近開発された新型出生前診断(NIPT)では、母体の血液中にわずかに流れている胎児由来のDNAを検査することで胎児に染色体異常の可能性があるかどうかを判断します。
新型出生前診断は妊娠10週以降と妊娠早期でも検査をすることが可能です。さらに、採血だけで検査ができるので感染症リスクや流産リスクがなく、なおかつ検査の精度が良いというメリットもあります。
この新型出生前診断では、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、13トリソミー(パトー症候群)の可能性がないかどうか調べることができます。これらの3つの疾患は、母体の年齢があがるにつれて発症することが多く、胎児の染色体疾患のうち約70%を占めるといわれています。そのため、出産時に35歳以上となる高齢の妊婦さんは新型出生前診断の検査対象となります。
新型出生前診断(NIPT)の感度:99%
※21番トリソミー(ダウン症候群)に対して
関連記事:新型出生前診断(NIPT)とは
確定的検査
羊水検査
妊娠16週以降に行うことができる羊水検査では、胎児を傷つけないように超音波で赤ちゃんの様子を確認しながらお腹、もしくは子宮に細い針を刺して、胎児の周囲にある羊水を採取します。羊水には胎児の皮膚などの細胞が含まれていると考えられており、羊水を採取することで胎児の染色体を分析することができるのです。
羊水検査では染色体疾患全般が対象になります。精度が非常に高い一方で、流産のリスクは1/300とも言われています。
羊水検査の感度:ほぼ100%
※21番トリソミー(ダウン症候群)に対して
絨毛検査
絨毛検査(じゅうもうけんさ)では、消毒、局所麻酔をしたあとに膣またはお腹から子宮に細い針を刺して胎盤の一部である絨毛を採取します。絨毛というのは、妊娠早期の胎盤の一部のことです。この検査では、21トリソミー(ダウン症候群)や18トリソミー(エドワーズ症候群)、13トリソミー(パトー症候群)、ターナー症候群、クラインフェルター症候群などの有無を確認できます。
羊水検査と比較すると、絨毛検査のほうがやや早い妊娠11~15週に行うことができ、さらに採取できる細胞の数が多いという特徴があります。
しかし、欠点もあります。この検査で採取するのは胎盤の一部であり、胎児の細胞ではありません。つまり、胎盤だけに染色体変化が生じている可能性もあるということです。また、絨毛検査では、流産のリスクが1/100と言われています。
絨毛検査は高度な技術を必要とするため、扱う医療機関が少ないです。場合によっては自分が住んでいる地域で実施できないこともあるということを理解しておきましょう。
絨毛検査の感度:100%
※21番トリソミー(ダウン症候群)に対して
関連記事:出生前検査における染色体検査とは?
出生前診断のまとめ
出生前診断には非確定的検査と確定的検査の2種類があり、確実に赤ちゃんに先天異常があるかどうかを診断できるのは羊水検査や絨毛検査といった確定的検査です。新型出生前診断(NIPT)のような非確定的検査は疾病の確率を示すにとどまりますが、検査方法が採血や超音波なので、感染症や流産など母体へのリスクはありません。
それぞれの検査にはメリットとデメリットがあるため、検査を受けるのか受けないのか、もしも受けるとするならばいつどんな検査方法を選択するのかは、パートナーや家族とよく話し合った上で決めるようにしましょう。
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新型出生前診断・NIPTは、お母さまの血液から胎児の3種類の染色体異常を調べることができる、スクリーニング検査です。
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NIPT平石クリニック
高齢出産が増えている傾向にある日本で、流産のリスクを抑えた検査が出来るNIPT(新型出生前診断)の重要性を高く考え、広く検査が知れ渡りみなさまに利用していただける事を目指しております。