染色体異常ってどういこと?

相談

受検者様からのご相談

NIPTを受検予定です。
「染色体」や「遺伝子」、「DNA」の区別がつかずよくわかりません。

ご相談をお受けして

NIPTとは?

NIPT(新型出生前検査)とは、赤ちゃんの「染色体異常の可能性を調べる検査」です。
つまり、NIPTを受検されるには「染色体」とは何かをある程度理解しておく必要があります。
以下の二部構成にて、シンプルに解説いたします。

▶︎ 1. それぞれの役割
▶︎ 2. それぞれの関係性を「本」でイメージする

1.それぞれの役割

まずは、それぞれの役割についてご説明します。

【 DNA 】

「DNA」とは、遺伝子の本体となる物質です。

DNAには遺伝情報が記録されています。
細胞分裂のタイミングで複雑に折り畳まれ、「染色体」という構造体に変化します。
(※下記「染色体」ご参照)
その理由は、DNAを効率よくコピー(複製)・分配させるためです。

【 遺伝子 】

「遺伝子」とはDNAの集まりです。

生きていく上で必要な体の機能について、詳細な指示が記録されています。
遺伝子=「体の構成成分の情報」であり、「生命の設計図」ともいえます。

【 染色体 】

「染色体」は、DNAや多くの遺伝子が格納されている構造体です。

細胞から細胞へ、また次世代へと「遺伝情報の伝達」をおこないます。
染色体=細胞分裂のタイミングで構造が変わる、DNAやタンパク質の姿ともいえます。

なおこれらは、ヒトの体内にある37兆個もの「細胞」ひとつひとつの中に収められています。
つまり我々ヒトのからだは、すべて「細胞」によって作られているのです。

2. それぞれの関係性

それぞれの役割について解説いたしました。
まだピンとこない方もいらっしゃるでしょう。
そこで、DNA・遺伝子・染色体の関係性を「百科事典」に例えて解説いたします。

「百科事典」に例えると、
「文字」……DNA
「解説文」……遺伝子
「百科事典」……染色体
に置き換えることができます。

▶︎DNA

DNA(文字)は遺伝子(解説文)の本体となる物質です。
DNA(文字)があって初めて遺伝子(解説文)や染色体(百科事典)、あるいは必要なタンパク質が作られます。

▶︎遺伝子

遺伝子(解説文)は、体を作るために必要な情報です。
文字と文字(DNAとDNA)がつながることで意味のある解説文(遺伝子)が出来上がります。
その結果、「皮膚を作る」「筋肉を作る」などの情報ができます。

▶︎染色体

染色体(百科事典)は、DNA(文字)が繋がり遺伝子(解説文)となり、ぎゅっとまとめられてコンパクトになった構造物です。

なお、染色体は46本1セットで機能します。
いわば46巻セットの百科事典です。
我々ヒトの身体をつくる37兆個もの細胞、そのひとつひとつの中に46巻セットの百科事典があるのです。


「染色体」は大きく2種類に分けられます。
具体的には「常(じょう)染色体」と「性(せい)染色体」です。

●「常染色体
……1〜22番までの番号の付いた染色体。

例えば「父親の1番染色体と母親の1番染色体」というように、両親から受け継ぐ同じ番号の染色体同士が対(ペア)となります。
2本1対で1〜22番まであるため、常染色体は計44本です。

●「性染色体
……性別を決める染色体で、X染色体とY染色体があります。
男性ではXとYの組合せ(XY)、女性はXが2本(XX)の組合せで、いずれも計2本です。

以上のことから、ヒトの染色体は父親と母親から23本ずつもらう計23組で1セット、計46本ということがわかります。

なおNIPTでは、これらの染色体に変化(異常)がないかを検査します。
染色体の数の異常を調べるトリソミー検査や、染色体の形の異常を調べる微小欠失検査があります。

検査プラン等に関しましては、下記からご参照ください。

ご相談をふりかえり

DNAや遺伝子、染色体についてお話いたしました。
少し身近なものと感じていただけましたでしょうか。

安心してNIPTを受けていただくには、NIPTにまつわる正しい知識が必要です。
とはいえ、馴染みのない専門的なことばかりだと思います。

▶︎NIPTはどのプランが一番良いのか?
▶︎性染色体検査の意義とは?
▶︎微小欠失検査は必要?
▶︎陽性が確定。どう結論を出せばよいのか?
▶︎初めから羊水検査ではダメ?本当のことが知りたい!

これらも受検者様からよくいただくご質問です。

どなたにもご納得いただけるよう解説しております。
よろしければご参照ください。


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染色体異常ってどういこと?

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