ダウン症の次に多い22q11.2欠失症候群 〜どの検査プランでわかる?〜

コラム

妊婦様からのご相談

NIPTの検査プランに悩んでいます。
発生頻度の高いものは基本プランで分かりますか?

ご相談をお受けして

ダウン症候群の次に発生頻度が高いのは?

染色体に起因する疾患で最も発生頻度が高いのは、ご存じの通り「ダウン症候群(21トリソミー)」です。

次いで発生頻度が高い疾患は「22q11.2欠失症候群(にじゅうに きゅー いちいち てんに 症候群) で、「ディジョージ症候群」もそのひとつです。
※性染色体異常は除きます。それらの症状は個性の範疇と考えられているためです。

「ダウン症候群」「18トリソミー」「13トリソミー」の順で発症頻度が高いと思われている方が多いのですが、実はそうではないのです。

「22q11.2欠失症候群」とは

概要

22q11.2欠失症候群は国の指定難病のひとつです。
約2,000-6,000人に1人の割合で起こる稀な疾患で、医療従事者でも知らない方が多い疾患です。
未診断の方も含めると日本では約20,000〜60,000人が罹患しているとみられています。

名称の「22q11.2」は染色体の番号とその領域を表しており、例えるなら「22丁目11番地2」といった住所のイメージです。
人には23ペア計46本の染色体があり、「22q11.2」は「22」番染色体の「q11.2」領域を表しています。

この部分が欠失していることによって起こる疾患が22q11.2欠失症候群というわけです。

どのような人に起こりやすいのか

22q11.2欠失症候群はどのような方が罹患するのでしょうか。
22q11.2欠失症候群をもつ子どもたちに調査をおこなった結果、約9割は両親に染色体変異がなかったことが確認されています。また、母体年齢に無関係だということも明らかになりました。

したがって22q11.2欠失症候群は稀ではあるものの、どなたにも起こる可能性がある疾患だといえます。

発症頻度が高い理由

22q11.2欠失症候群の発症頻度がダウン症候群に続いて高い理由は何でしょうか。
22q11.2欠失症候群は、22番染色体のq11.2という領域が欠失することで起こる疾患だと前述しました。
実は、この領域は特殊な配列で構成されており、他の染色体より欠失しやすいことが知られています。
また、この領域に30〜45種類もの遺伝子が含まれるため、欠失することにより様々な症状が表れるといわれています。

合併症とその対応

22q11.2欠失症候群において、起こり得る合併症は約180種と多いものの、これら全てが起こるわけではありません。
どのような症状が出るかは個人差も大きく、予測がつきません。また症状が出た場合の程度も、出生前の段階では分かりません

比較的起こりやすい合併症は、先天性心疾患や口蓋裂、慢性中耳炎などです。なお免疫力の低下や低カルシウム血症、甲状腺機能低下症などがみられることもあるものの、そのほとんどは治療が可能です。
通院や治療は、出てきた症状やタイミングに応じておこないます。

成長過程や人柄

22q11.2欠失症候群の方は、赤ちゃんの頃は成長がゆっくりですが、就学前には元気に幼稚園や保育園に通えるお子さんがほとんどです。
小学校では通常の学級・支援級、どちらのケースも見受けられます。どちらの学級が良いかは、お子さんにとってどちらがより過ごしやすい環境かが判断基準になるのではないでしょうか。

お人柄は千差万別ですが、22q11.2欠失症候群の方は比較的内気で心優しく、真面目な方が多い傾向です。

22q11.2欠失症候群には知的障害や発達障害が併存するケースもあります。しかし寝たきりでの生活や四六時中お世話が必要という疾患ではありません。

療育や通院、カウンセリングなどをおこないながら、社会への適応やQOLの向上を目指します。
将来的には就労され、自立した生活ができる方も多くいらっしゃいます。

お人柄は千差万別ですが、22q11.2欠失症候群の方は比較的内気で心優しく、真面目な方が多い傾向です。

どの検査プランで調べられる?

22q11.2欠失症候群の可能性を知るには、NIPTにおける「微小欠失検査」が必要です。「基本検査」にこの検査項目は含まれません。

当院の検査プランを例にご説明いたします。

平石クリニック NIPT検査プラン

A 基本検査……18万円(税別)
・21トリソミー・18トリソミー・13トリソミー検査
・性染色体検査、性別判定
B 全染色体検査……21万円(税別)
・1〜22トリソミー検査
・性染色体検査、性別判定
C 微小欠失検査……23万円(税別)
・1〜22トリソミー検査
・性染色体検査、性別判定
・微小欠失検査(1p36欠失症候群、4p欠失症候群、5p欠失症候群、プラダー・ウィリ症候群、アンジェルマン症候群、22q11.2欠失症候群

Aを基本的な検査とし、B、Cと検査対象の染色体や検査項目が増えていくイメージです。
大学病院などの認定施設でおこなわれているNIPTはA基本検査の内容と同じで、性染色体においては検査の対象外とされています。

なお、NIPTはスクリーニング検査です。
陰性の場合には99.99%以上の的中率を誇りますが、陽性だった場合には偽陽性(間違った陽性判定)の可能性も十分にあります。
偽陽性の割合は一律ではなく、検査項目や母体年齢によって異なります
よって、NIPTで陽性だった場合には羊水検査による確定診断が必要とされています。

NIPTを受けるにあたり、検査プランに悩む受検者様は多くいらっしゃいます。疑問点はすべてクリアにされ、安心して受検いただきたいと思っております。
引き続き、お気軽に無料電話相談をご活用ください。

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