微小欠失検査は受けるべき?

相談

妊婦様からのご相談

NIPTの検査プランを検討中です。
基本検査(Aプラン)で調べられる「21,18,13トリソミー」で先天性疾患の何割程度を占めていますか?
基本検査(A)で十分か、微小欠失検査(C)を選択すべきかで悩んでいます。

ご相談をお受けして

多くの受検者様からいただくご相談です。
わかりやすく解説いたします。

「基本検査」でどの程度を調べられる?

まず初めに、平石クリニックの検査プランは以下の通りです。
基本検査(Aプラン)……18万円(税別)
・21トリソミー、18トリソミー、13トリソミー検査
・性染色体検査、性別判定
全染色体検査(Bプラン)……21万円(税別)
・1〜22トリソミー検査
・性染色体検査、性別判定
微小欠失検査(Cプラン)……23万円(税別)
・1〜22トリソミー検査
・性染色体検査、性別判定
・微小欠失検査

さて、基本検査(Aプラン)で、どの程度を調べられるのでしょうか。
結論からお伝えしますと、染色体変異が原因で起こる疾患の約70%です。

そもそも何らかの先天性疾患をもって生まれてくる赤ちゃんは、生まれくる赤ちゃん全体の約3〜5%だといわれています。
そのうち染色体変異が原因とされる割合は約5〜10%です。
さらに、基本検査(Aプラン)に含まれる21・18・13番染色体や性染色体のトリソミー はその約70%なのです。
※染色体の数的変異のひとつ

つまり、基本検査(Aプラン)で染色体変異による疾患の約70%は調べられるということです。
なお、微小欠失症候群は残り約30%の中に含まれるのですが、一定数のデータが集まらないほどごく僅かな割合です。

微小欠失検査とは?

微小欠失検査の概要

「微小欠失検査」は染色体の構造変異を調べる検査です。しかし検査プランの名称としての「微小欠失検査」という場合には、数的変異を調べるトリソミー検査も含みます。

つまり「微小欠失検査(Cプラン)」は、「微小欠失(構造変異)」と「トリソミー(数的変異)」、両方を兼ね備えた検査プランだということです。

微小欠失検査(Cプラン)の対象

〜トリソミー検査〜
「トリソミー検査」の対象はすべての染色体です。

〜微小欠失検査〜
「微小欠失検査」の対象は、難病指定されている以下の6つの疾患に起因する染色体です。

・「1p36欠失症候群」……1番染色体
・「4p欠失症候群」……4番染色体
・「5p欠失症候群」……5番染色体
・「プラダー・ウィリ症候群」……15番染色体
・「アンジェルマン症候群」……15番染色体
・「22q11.2欠失症候群」……22番染色体

〜性染色体検査〜
「性染色体検査」の対象は、性別を決定づけるX染色体やY染色体です。

微小欠失検査を受けるべき?

「微小欠失検査」を受けたほうが良いかどうかについて、実は正解がありません。そこでいくつかの判断基準を例としてご紹介いたします。

発症頻度

まず、発症頻度から検討する方法です。
染色体変異が原因とされる疾患の発症頻度をみると、最も高いのは21番染色体の数に変異があるケースで、「21トリソミー」や「ダウン症候群」と呼ばれます。
新生児の約600-800人に1人の割合だといわれています。

次いで発症頻度が高いのは22番染色体の構造に変異があるケースで、「22q11.2欠失症候群(にじゅうにきゅーいちいちてんに欠失症候群)」と呼ばれます。
稀な疾患で、新生児の約4,000-5,000人に1人の割合だといわれています。全国的にみると、年間約180人です。

「21トリソミー」「22q11.2欠失症候群」いずれも生まれてこられる可能性があります。
その他の染色体のトリソミーであれば生まれてこられる可能性はほぼありません。
そのため全染色体検査(Bプラン)の選択をされる方が最も少なく、基本検査(A)か微小欠失検査(C)で迷われる方が多いと考えられます。

どこまで知れば安心できるか

続いて、どこまで知れば安心できるかという視点で検討する方法です。
基本検査(Aプラン)で3つのトリソミーについて陰性でも不安が残ってしまいそうであれば、微小欠失検査(C)まで検査されたほうが良いといえるでしょう。
一方で、基本検査(A)で3つのトリソミーについて陰性判定であれば安心できそうであれば、微小欠失検査(C)までおこなうのは過剰かもしれません。

つまり、微小欠失症候群は稀な疾患であるという点をどう捉えるかがポイントで、受検者様の価値観次第で選択が分かれるところです。

無認可でしか受けられないから

最後に、受検者様からよく挙がるエピソードをご紹介いたします。
もともとは大学病院などの認定施設で受検予定だった妊婦様です。認定施設におけるNIPTは、基本項目(21・18・13トリソミー)に限定されています。

こちらの妊婦様は、申し込みのタイミングで認定施設の受検条件を満たせないことが判明したそうです。条件とは『夫婦そろっての対面での事前カウンセリング』です。スケジュール面でご夫婦の調整が難しかったため、当院のような無認定施設に行き着いたということでした。
※無認定施設は妊娠10週以上という条件さえ満たしていれば受検可能です。

妊婦様は、せっかく無認定施設で受けるのであれば認定施設では受けられない検査を受けたいとのお考えから、当院にて最も検査項目の多い微小欠失検査(Cプラン)を選択されたのでした。

とはいえ、検査項目の増加にともない検査費用のご負担も大きくなります。検査についての疑問点をすべてクリアにされた上で、ご納得のいく選択をしていただきたいと思っております。
当院では受検当日まで検査プランのご変更が可能ですので、比較的じっくりとお考えいただけるでしょう。

また、認定施設と同じように無認定施設である当院にも認定遺伝カウンセラーが在籍しております。受検前はもちろん、結果が出たあとにも継続的にご相談いただけます。
妊婦様やパートナー様への条件としてではなく、お二方の権利としてご活用いただけましたら幸いです。
引き続き、ご一緒に考えていきましょう。

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