DD双胎・MD双胎・MM双胎について

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双胎妊娠について

双胎妊娠(双子)は、自然妊娠において約80組に1組の頻度だといわれています。不妊治療を経た場合にはさらに高く、年々増加傾向を辿ってきました。

しかし、最近では移植する受精卵の数を制限するなどして、単胎妊娠を目指す傾向が広まっています。これは、双胎妊娠のリスクを考慮し、母体と胎児の健康を守ることが重視されているためです。

卵生による分類

双胎妊娠は、「卵生(受精卵の数)」によって一卵性か二卵性かに分けられます。

一卵性双胎

ひとつの受精卵がふたつに分かれ、それぞれ成長していく場合を一卵性双胎といいます。
一卵性双胎は赤ちゃんの遺伝子や性別、血液型が同じです。

二卵性双胎

ふたつの卵子とふたつの精子で受精・着床した場合を二卵性双胎といいます。
ふたりの赤ちゃんの遺伝子は別々であり、性別や血液型が異なるケースもあります。

実はこれらの「卵生」以上に重視されるのが「膜性」です。

膜性による分類

冒頭で、双胎妊娠にはリスクが伴うことをお話しました。なかでも一卵性双胎の「膜性(構造)」によってはリスクがより高くなるため、注意が必要です。

▶︎「膜性」

ふたりの赤ちゃんが胎盤や羊膜を共有しているかどうかということ。以下の3種類に分られます。
① 二絨毛膜二羊膜双胎(DD)
② 一絨毛膜二羊膜双胎(MD)
③ 一絨毛膜一羊膜双胎(MM)

膜性
引用:埼玉医科大学病院

字面からお分かりの通り、「絨毛膜(じゅうもうまく)」と「羊膜」の数によって分類されます。

▶︎「絨毛膜(じゅうもうまく)」とは

胎嚢(たいのう)を形成する膜のこと。胎盤の数に応じて形成されるため、絨毛膜の数=胎盤の数です。
「一絨毛膜」はふたりの赤ちゃんでひとつの胎盤を共有しているということで、「二絨毛膜」は赤ちゃんそれぞれにひとつずつ胎盤があるということです。

▶︎「羊膜」とは

胎児を包む膜のこと。つまり羊膜の数=赤ちゃんの部屋の数です。
「一羊膜」はふたりの赤ちゃんがひとつの部屋にいる状態、「二羊膜」はふたりの赤ちゃんにひとつずつ部屋がある状態を意味します。

どのタイプかによって妊娠のリスクや管理方法が異なるため、膜性診断が非常に重要です。膜性診断は超音波にておこなわれるもので、妊娠8週以前ではまだ判断しづらく、妊娠14週以降には正しく診断することが困難になります。
したがって、妊娠10週前後に膜性診断をおこなうことが最善だと考えられています。

では、それぞれの膜性とリスクについて説明いたします。

①DD(二絨毛膜二羊膜双胎)

DDとは二絨毛膜二羊膜双胎のことで、胎盤も部屋(羊膜)もふたりの赤ちゃんそれぞれにあります。
一卵性双胎の約25〜30%を占めるのがこのタイプです。
※二卵性双胎の約8割もこのDDです。

胎盤も部屋も共有していないため、お互いの血液が影響し合うリスクも、臍の緒が絡まってしまうリスクもありません
一卵性双胎の中でいちばん低リスクなのがこのタイプです。

②MD(一絨毛膜二羊膜双胎)

MDとは一絨毛膜二羊膜双胎のことで、胎盤はふたりで共有しているものの、部屋はふたりの赤ちゃんそれぞれにあります。

一卵性双胎の約75%を占めるのがこのタイプです。

胎盤を共有していることで、お互いの血液は胎盤を通して行ったり来たりします。また、栄養がふたりに均等に行き渡らないことがあり、「胎間輸血症候群(TTTS)」や「一児発育不全(selective FGR)」を起こすリスクがあります。
そのため、医師の指導のもと慎重に体調管理をおこなっていくことが必要です。

一方で、赤ちゃんそれぞれに部屋があるため「臍帯相互巻絡(さいたいそうごけんらく:臍の緒がからまること)」のリスクはありません。

③MM(一絨毛膜一羊膜双胎)

MMとは一絨毛膜一羊膜双胎のことで、胎盤も部屋もふたりの赤ちゃんで共有しています。
一卵性双胎において最もめずらしく、約1%の頻度で見られます。

胎盤をふたりで共有しているため、②一絨毛膜二羊膜双胎(MD)と同じく「胎間輸血症候群」や「一児発育不全」を起こすリスクがあります。
ふたりがひとつの部屋にいることから、「臍帯相互巻絡(②参照)」のリスクもあります。

3つの膜性のなかで最もハイリスクなのがこのタイプです。
医師の指導のもと、慎重に体調管理をおこなっていくことが必要です。

分娩は、妊娠9ヶ月頃に帝王切開でおこなわれるケースもあれば、クリニックによっては妊娠の中断を打診されるケースもあります。

分娩にあたり

双胎妊娠において、妊娠10週目前後での膜性診断が大切だとお話いたしました。また、定期検診を欠かさず継続していくこと、そして分娩時には万が一に備えておくことも大切です。

分娩時の備えとは、具体的には「NICU(新生児集中治療室)」や「M-FICU(母体胎児集中治療室)」のある施設での分娩を予定しておくということです。
あるいは小児科が併設されている施設も良いでしょう。

双胎ならではの喜び

双胎妊娠のリスクについてを中心にお話させていただきました。
妊娠中のみならず、ふたりの赤ちゃんを同時に育てていくことは、身体的にも経済的にも大変なことだと思います。
しかしその一方で、双胎ならではの喜びもたくさんあることでしょう。

定期的な妊婦検診を受けながら経過観察を続けていただければご心配要りません。

赤ちゃんたちとお母様の健康と安全を何より願っております。
継続的なフォローをいたしますので、よろしければ無料電話相談をご活用ください。
認定遺伝カウンセラーが対応させていただきます。

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