出生前診断によって子供に危険なことがあるって本当?

コラム

出生前診断という言葉を聞くようになって久しい昨今、現在では抵抗なく受ける土壌ができています。出生前にいろいろなことがわかるのでメリットは多いですが、反面危険がある事はあまり知られていません。子供にとって危険が及ぶ可能性もあるため、事前にしっかり調べ正しい知識を得ておく事は重要です。具体的にはどのようなリスクがあるでしょう。

まずは結果を受け止める準備が大事

出生前診断を受けると、おなかの中の赤ちゃんの様子が分かります。命を守るための対策ができる一方で、安易な気持ちで受けたことで想定外の結果を知らされることもあります。その結果を受け止めきれずに苦しむ夫婦はとても多いです。 妊娠中にもかかわらず、出産への期待や喜び希望を失ってしまう夫婦もいます。結果として人工妊娠中絶という選択肢を選ぶ家族も少なくありません。 手軽に検査を受けられるのはメリットと言えますが、だからといって安易な気持ちで臨むのはおすすめできません。デメリットも知った上で受診するようにしたいです。 まず診断のためにはある程度の条件が決まっています。例えば両親のどちらかに染色体異常がある場合や、染色体異常や先天性疾患の子を出産した経験があること、35歳を過ぎての出産などが挙げられます。これらの条件に当てはまれば、染色体異常や先天性の疾患を持った子を出産するリスクが高まるため、検査をすることがすすめられるという流れです。 お医者さんとよく相談をしながら、カウンセリングを受けてから慎重に捉え、考える必要があります。

出生前診断を受けるときはどこで行うかも考えておく

出生前診断は、どの病院に行っても受けられるというわけではありません。特に危険を伴う検査の場合はできる病院は限られます。特殊な内容だと比較的大きな総合病院などで受けられる場合が多いです。 難しい内容は特に経験豊富なお医者さんがいる病院で受けなければ安心できません。調べてもらってそのまま通院となる場合や、入院が必要になることもあります。今後も通院可能な病院を選んでおくことが大切です。お医者さんから紹介をしてもらえることもあるため、馴染みの産婦人科の医師に早めに相談をしてみると良いです。 出生前診断といっても、内容は1種類ではありません。たくさんの種類の中から自分や自分の赤ちゃんに最適なものを選ぶ必要があります。調べればある程度のことが分かったとしても、やはり専門家の意見は聞いておきたいところです。お医者さんによく相談してどのような内容があり、どれが適しているのかをあらかじめ知っておけば安心です。そのためには、普段から通っているお医者さんとよく話ができる環境を作っておくことも求められます。何でも相談できれば安心して任せることができるからです。

赤ちゃんにリスクが及ぶ内容とは

出生前診断には、実に様々な種類があります。超音波を利用した画像診断もあれば、お母さんの血液から赤ちゃんの染色体を調べる方法までたくさんの中身が挙げられます。そしてその中には、赤ちゃんをリスクにさらすものも少なくありません。 赤ちゃんを守るための羊水や絨毛・臍帯から直接的に細胞を採取して調べる方法もあります。直接赤ちゃんに関わる部分から細胞などを採取すれば、最悪の場合流産のリスクがあることも頭の片隅には入れておかなければいけません。 ならばリスクの少ない超音波検査だけを受けてみようと発想する人も多いです。しかしもしそこで異常が発見されれば、確定的な結果を得るために羊水や絨毛を調べなければならい可能性も出てきます。万が一の場合も想定して備えておくことが大切です。そのためには夫婦でよく話をして、事前に相談をしておく必要があります。デメリットを理解した後でも出生前診断が必要だと考えられるなら、さらに検討を重ねます。 夫婦や家族だけで悩むのではなく、専門家のお医者さんに相談をしたり、アドバイスを求めることも大切です。気持ちを整理しすっきりさせるためにもこの過程は踏むべきです。

出生前診断は万能ではなく限界もある

出生前診断をしたからといって、自らが求める結果が全てハッキリするわけではありません。調べたいことが明確にわからないこともあると知っておくべきです。出生前診断の中には、染色体異常の可能性までは判定してくれますが、さらなる精密な検査が必要になることもあり、その必要性を選別する検査まであります。このような内容だと決定的な染色体異常の病名まではすぐに知ることができません。 染色体異常の可能性が高いと判定されただけで、詳細な病名までわからないとなると心にもやもやが残ります。確定的に何かが判別しない以上、不安要素は取り除けません。そこでまた次の診断をするのか、そのまま様子を見るのか再び検討を重ねなければいけなくなります。ただ受ければ結果が出てそれでスッキリすると考えている人は、意識を改める必要があります。 特に近年は医療技術も日進月歩で進んでいるのが現状です。だからといって万能というわけでもない事実をまずは理解すべきです。例えば周りに受けたおかげで好結果を得られたという人がいたとしても、安易に診断に飛びつくべきではありません。まずは自分で調べたり専門家に相談したりすることが大切です。

流産の危険性を秘めた内容もある

出生前診断の中には、直接胎盤の細胞を採取したり母体の腹壁から針を刺し羊水を採取するものもあります。これらは流産のリスクを秘めています。詳細な結果を得られることで安心できる反面、母体やお腹の中の赤ちゃんをリスクにさらすことも頭に入れておくべきです。 赤ちゃんのへその緒から直接採血をし診断をすることもあります。合理的な手法ではありますが、赤ちゃんにとってはやはり大きなリスクが伴います。血液が教えてくれるたくさんの情報を得ることができる一方で、リスクも大きいことを理解しておかなければいけません。 お母さんの体から細胞を取り出す場合も、詳しい結果が得られる一方で誤って周囲の臓器を傷つけてしまう可能性があります。 例えば、絨毛を調べる場合、妊娠早期の胎盤の一部を採取しなければいけません。赤ちゃんの染色体異常や遺伝子の疾患を詳しく診断することができます。お母さんのお腹に針を通して注射器で採取する方法か、子宮けい管を通す方法がとられます。超音波の画像を見ながら行われるので、針が腸に刺さって腹膜炎のきっかけになる可能性もあれば、出血や破水・合併症の恐れも存在します。たかが検査と侮るのではなく、その裏側にある危険を理解しなければいけません。