母体に負担をできるだけかけずに検査することができることから注目を集めているNIPTは、非確定検査の中でも精度が高いため、導入されてから現在に至るまで年々受診者が増加傾向にあります。実際に検査を受ける場合は、基本的には認可されているところで検査してもらうということを日本産科婦人科学会は勧めています。では、検査自体は認可されている病院でしか受けることができないのでしょうか、それとも無認可のところでも受けられるのでしょうか。
まずはNIPTについて理解してみよう
胎児の状態を調べる検査はいくつもありますが、その中でも注目を集めているものの一つがNIPTと呼ばれる検査です。これは、新型出生前診断とも呼ばれており、簡単にいうと、胎児が生まれる前にどのような状態になっているかを詳しく調べることができる検査です。また、検査はただ単に胎児の状態を知るだけでなく、その結果から妊婦や家族が今後どのような準備をしていくべきか、それらを検討することにも繋がります。この検査では、母体から採血するだけでおこなうことができるようになっているので、母体に対する負担がかなり軽減されます。検査では、母体の血液の中にある胎児に由来するセルフリーDNAから、胎児に染色体異常があるかどうかを調べることができるようになっています。現在検査の対象となっているのは21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーの3つが主流です。検査自体は10週目以降からおこなうことができるようになっていますが、対象となるのは35歳以上の場合や、染色体異常の可能性が指摘された場合などです。この検査は非確定検査と位置付けられており、もし検査によって陽性となった場合は羊水検査や絨毛検査を追加でおこない、最終的に医師が診断を下すという形になっています。ただ、この検査自体はかなり精度が高いものとなっており、例えば21トリソミー、つまりダウン症の可能性を調べる場合はその感度は99%以上とすら言われているほどです。また、検査で陽性となった場合でも、絶対に確定検査を受けなければならないというわけではなく妊婦や家族の考えによっては、確定検査を受けないという選択肢を選んだとしても問題ありません。もちろん現時点、もしくは出産予定日に35歳以上の人であれば検査を受けることはできますが、強制的に受けなければならない検査というわけでもありません。受けるかどうか、その選択は基本的には妊婦、もしくはその家族側ができるようになっており、受けなかったからと言って何か問題があるわけでもないからです。
認可されている病院を利用すること
NIPTを利用すれば、胎児の状態がどのようになっているかを知ることはできるようになっており、現在検査を希望する人は少なくありません。この場合、現時点、もしくは出産予定日に35歳以上になっている人は検査を受けることができるようになっていますが、どこの病院でも検査を受けることができるわけではないので注意しましょう。検査自体は産婦人科などでおこなわれていますが、全てのところでおこなっているわけではないので、まずは対応しているかどうかを調べるのが必要です。また、現在NIPTをおこなっている施設は「認可施設」と「無認可施設」の2つがあります。認可施設は日本産科婦人科学会によって認定されている施設で、例えば産婦人科であることや、出生前カウンセリングなどをおこなっているなどが条件になっています。また、産婦人科医師や小児科医が常勤で勤めているなども条件となっており、これらの条件を満たしている場合は、産科婦人科学会から認定されるという形です。ただ、認定されている病院自体は法的な根拠によって認定されているわけではなく、民間のガイドラインに沿って認定されているだけです。よって無認可施設で受診することも問題はありません。
無認可の医療施設でも検査を受けることは可能
前章でも書いたとおり、NIPTをおこなっている施設には2種類あり、一つは認可されているところ、もう一つは無認可のところです。無認可だからと言って、何か法的に問題があるというわけではなく、検査自体は正しくおこなってもらうことができるようになっています。だから、認可されていないから利用してはいけないわけでは決してないということも理解しておくと良いでしょう。また、無認可の医療施設の場合は、認可されているところのように35歳以上でなければ検査を受けることができないなど、年齢制限を設けていないところも少なくありません。つまり、もっと若い年齢でも検査を希望すれば受けることができるようになっているので、胎児の状態が心配だけど年齢で検査対象にならないという人でも検査が受けやすくなっています。しかし、利用する場合はいくつか注意しておきたいことがあり、その一つが若い人の場合はNIPTの精度自体が少し低くなってしまう可能性があり、もしかしたら偽陽性となることもあります。つまり、本当は陰性であるにもかかわらず、ときには陽性という反応が出てしまうこともあるので、その点は理解しておきましょう。また、そもそも染色体異常のリスクは母体の年齢とともに変化していくもので、35歳未満の場合はそれほどリスクが高いわけではありません。だから、検査を受けなくても良い人が不必要な検査を受けてしまうことにもなりかねないということも理解しておくようにしましょう。しかし、無認可の場合は検査対象となっている染色体が多かったり、サービス体制なども充実していることも見受けられます。また、NIPTの検査機関はいくつもあり、一か所で行われているわけではなく、海外にその検査を委託するということもあります。どこに検査を依頼するのかはその病院によっても違っているので、その点もよく調べておくとより安心でしょう。つまり、NIPTを受けたいというときは、認可、無認可どちらを利用すべきかしっかりと情報収集して決めると良いでしょう。重要なのは、どのような対応をしてもらうことができるのか、検査の精度は本当に高いのか、もし何かあったときでもしっかりとサポートしてもらうことができるかなどです。これらについてしっかりと調べ、本当に安心して検査を受けることができる病院かどうかを調べる、これは妊婦やその家族側に必要なことだと言って良いでしょう。
NIPTは新型出生前診断と呼ばれ、母体から採血するだけで検査することができるので、普段がかなり少ない検査として注目されています。胎児に染色体異常があるかどうかの可能性を調べることができ、この検査で陽性になった場合は絨毛検査や羊水検査で確定する形です。検査は日本産科婦人科学会によって認定されている医療機関で受けるのが良いとされていますが、実際には無認可のところでも検査はおこなっています。大きな違いは認可されているかどうかということで、検査の精度などにそれほど大きな違いがあると言うわけではありません。ただ、NIPT自体は認可のところでは35歳以上でなければ受けられないなどの条件が厳しく設けられていますが、無認可の場合は年齢制限がない場合も多々あります。したがって、実際に検査を受けたい場合は認可無認可について調べるだけでなく、その医療機関についてもしっかりと調べてから決めるようにしましょう。