本来の赤ちゃんの性別の比率は1:1です。どちらの性別であっても赤ちゃんは愛しいもの。しかし、家庭の事情など様々な理由でどちらかの性別を希望する場合もあるのではないでしょうか。最近ではある程度まで男女の産み分けが可能になってきています。産み分けの成功率や具体的な産み分けの方法について解説します。
男女を産み分ける仕組み
では、そもそもどのようにして赤ちゃんの性別が決まるのでしょうか。
人間の細胞には対になっている23本の染色体があり、22本目まで男女でまったく同じです。23本目の染色体の組み合わせがXXなら女の子、XYなら男の子となります。
卵子にはX染色体しかないため、女の子(XXの組み合わせ)になるか男の子(XYの組み合わせ)になるかは精子の持っている染色体によって決まります。
X・Yそれぞれの染色体には異なる特徴があります。そのため、どちらかの染色体に有利な環境で受精させることで産み分けが可能となります。
X・Yそれぞれの染色体の特徴
では、女の子の染色体Xと男の子の染色体Yにはそれぞれどのような特徴があるのでしょうか。
■女の子になるX染色体の特徴
・酸性につよい
・寿命が長い(2~3日)
・Y染色体に比べわずかに比重が大きい
・運動量が少ない
■男の子になるY染色体の特徴
・アルカリ性につよい
・寿命が短い(約1日)
・X染色体に比べわずかに比重が小さい
・運動量が多い
このようにそれぞれ異なる特徴があります。この特徴を生かし、それぞれの染色体の有利な環境をつくることで産み分けが可能となります。
産み分けの成功率
現在産み分けの成功率は70~80%です。
医学的な方法が確立されてきた産み分けですが、100%ではありません。男の子希望なら81~91%、女の子希望なら70~80%の確率といわれています。
男女を産み分ける方法
産み分けをおこなうための準備
まずは基礎体温と生理周期を把握しておきましょう。これは排卵日を把握するためです。排卵日を知りタイミングを図ることが産み分けにおいてはとても重要になります。
生理周期内には高温期と低温期がありますが、この低温相から高温相にかわるときに体温がぐんと下がる時期があります。この時期から2~3日の間に排卵がおこるとされています。
最近では基礎体温を管理するためのアプリもあるため、上手に活用しながら排卵日を把握しておきましょう。
産み分けの3つの方法
染色体の特徴をいかした産み分けには主に3つの方法があります。
「シェトルズ(タイミング)法」「産み分けゼリー」「パーコール法」です。この3つを組み合わせて希望する性別になる確率を高めていきます。
では、それぞれの性別ごとに具体的な方法をみていきましょう。
男の子を希望する場合
シェトルズ(タイミング)法
膣内がアルカリ性に傾く期間を見計らい、排卵日当日に性行為をおこないます。
本来膣内は外部からの雑菌の侵入を防ぐため酸性になっています。しかし、排卵日には膣内が強いアルカリ性になります。アルカリ性に強いY染色体をもつ精子が有利な環境で受精させることにより男の子になる可能性を上げる方法です。
また、Y染色体の動きが活発で寿命が短いという特徴をいかし、なるべく早く受精するようにタイミングを見計らう方法です。
産み分けゼリー
産み分けゼリーによって膣内の環境をアルカリ性にします。アルカリ性に強いY染色体の精子に最適な環境を作ります。性行為のときに産み分けゼリーを膣内に入れて使用します。
産み分けゼリーは食物由来で人体に無害であることが証明されています。
女の子を希望する場合
シェトルズ(タイミング)法
女の子を希望する場合は排卵日の数日前に性行為をおこないます。これによって寿命の短いY染色体は自然に淘汰されX染色体が受精する可能性が高まります。また、排卵数日前は膣内が酸性のためX染色体にとって有利な環境になります。
産み分けゼリー
女の子を希望する場合は膣内を酸性にたもつ産み分けゼリーを使用します。酸性につよいX染色体が有利な環境で受精するため女の子になる可能性が高まります。
パーコール法
人工授精の場合に可能な方法です。精子を遠心分離機にかけて調整します。
X染色体のほうがY染色体よりも重いという特徴をいかし、精子を遠心分離器にかけて比重の思いX精子を沈殿させます。X精子の比重が大きくなった精液をつかって人工授精をおこなうことにより女の子になる可能性を高めます。成功率は60~70%といわれています。
100%の産み分けはできないのか
100%の産み分けは着床前診断によって可能です。しかし日本では倫理的観点から着床前診断による男女の産み分けは禁止されています。
産み分けによる妊娠がおすすめできない人もいる
男女の産み分けにはオススメできない場合もあります。それは、産み分けをすることで妊娠のチャンスを減らしてしまうためです。産み分けをすることでそもそもの妊娠率をさげてしまう可能性があります。どのような場合に産み分けがオススメできないのか解説していきます。
不妊症や高齢出産の場合
様々な理由によって妊娠する可能性が低い場合、さらに妊娠率をさげてしまう可能性があります。妊娠を強く望んでいる場合、産み分けはオススメできません。40歳以上の高齢出産の場合、不妊治療中である場合など妊娠率の低い場合の産み分けは推奨されていません。
産み分けよりもなるべく早い妊娠を目指すことで出産のリスクを減らすこともできます。
産み分けをしない場合でも、希望の性別になる可能性は50%あります。産み分けにこだわりすぎずにリスクを回避した妊娠を目指しましょう。
はじめての妊娠や授乳中・生理不順の場合
はじめての妊娠では、妊娠しにくい要因が隠れている場合があります。排卵障害や精子の数の問題など不妊の原因があった場合、産み分けをしていると原因を追及するのが難しくなります。産み分けをしたことによって妊娠時期が後ろ倒しになる可能性があり、妊婦が高齢になるほど出産自体のリスクが高まります。
また、出産直後や授乳中の場合排卵の周期が安定せず、タイミングをはかりにくい場合があります。生理不順の場合も排卵のタイミングをはかりにくいため産み分けが難しいケースがあります。基礎体温と生理周期が安定したタイミングで産み分けをするようにしましょう。
そのほか産み分けがオススメできない場合
夫婦での意見が一致していない場合や、希望しない性別の子どもを出産する意思がない場合は産み分けをオススメできません。先に述べた通り、成功率は100%ではないためどちらの性別になる可能性もあります。産み分け法を過信してしまうと、赤ちゃんが希望の性でなかったときに受け入れがたく感じてしまう場合もあります。夫婦でよく話し合いならが産み分けをおこなうのがいいでしょう。
まとめ
現代では少子化によって出産の機会が減っているため男女どちらかの性別を強く望む場合も増えています。様々な産み分け法を組み合わせることによって、産み分けの確率はあがっています。産み分け法を上手に活用することで、希望の性別の子供を授かる可能性は高めることができます。
しかし着床前診断以外の産み分けは100%ではありません。どちらの性別であっても赤ちゃんは愛しいもの。性別はあくまで希望として、健康で無事に出産することを目指しましょう。
また、妊娠時期の高齢化にともなって産み分けを推奨できないケースも増えています。産み分けをしない場合でも希望の性別になる可能性は50%ありますので、ご夫婦で話し合いながら納得できる最善の方法を選んでください。