NIPTを受けるメリット・デメリット

コラム

晩婚化の日本において、高齢出産の問題は切っても切れない問題ではないでしょうか。そんな高齢出産の問題を抱える日本の中で注目されているのがNIPTの出生前診断です。この出生前診断とはどういったものなのか、そして受ける場合のメリットとデメリットについて詳しく紹介しましょう。これから妊娠を考えている人は参考にして下さい。

晩婚化が進む背景で増える高齢出産

近年日本は晩婚化が進んでいます。夫婦共に昔よりも結婚する年齢が上がっており、それと共に高齢出産になるケースが増えているでしょう。なぜこのように晩婚化が進んだのかというと、それは女性の社会進出の増加であったり、まだ自由でいたいという考えをも持つ若者が増えたからではないでしょうか。そんな晩婚化の中で問題になっている高齢出産です。高齢出産とは35歳以上の初産婦のことを定義としています。以前は30歳以上が高齢出産とされていましたが、晩婚化が進む中で30歳以上で出産する人が増え、平成3年頃を境に35歳以上が高齢出産と変わりました。日本では多くの人が35歳以上で初産婦となっていますが、高齢出産にはリスクもあります。例えば年齢が上がればその分体力がなくなってしまったり、流産の確立が増えてしまう場合もあるでしょう。妊娠適齢期の人であっても、人それぞれ体の状態が異なります。そのため、なかなか妊娠しないという人も中にはいますが、年齢が上がれば上がるほどそのリスクは高まるでしょう。また、女性だけでなく、男性側に問題がある場合もあり、近年男性不妊も取り上げられるようになってきました。またその他に、高齢出産でのリスクの中にダウン症など先天性の異常の発症率も高くなってしまうという現状があります。ダウン症とは21番目の染色体に異常があるものをいいます。このダウン症の場合、母親が20代の場合は1000分の1の確率ですが、40歳を超えると100分の1と、確率が上がります。そういったリスクがあることもしっかり考えた上で、妊娠・出産のタイミングを考えることが大切です。そんな高齢出産が増加している日本の現状ですが、その中で多くの高い関心を寄せているのがNIPT出生前診断です。ではこのNIPT出生前診断とは一体どのようなものなのでしょうか。

事前に胎児の状態を知ることにはメリットがある

最近ではテレビなどでも良く取り上げられ耳にする機会が増えたNIPT出生前診断ですが、一体どのような検査なのか詳しく知らないという人も多いのではないでしょうか。このNIPTとは妊娠中の母親から血液を採取し、それを元に出産前に胎児にダウン症などの染色体異常がないかどうかを調べる検査のことをいいます。血液採取といっても少量ですし検査の中でも精度が高い検査です。採取した血液を元に検査がおこなわれ、ダウン症や18トリソミーといった先天性異常を発見することができるでしょう。受けるメリットとしては妊娠の早い段階で先天性の異常を見つけることができ、出産時の心構えをすることができることではないでしょうか。やはり出産をしたタイミングで病気を知ることで、中には我が子に病気が見つかったことをショックに感じてしまう人もいます。事前に知ることで心構えをすることができ、病気のことを理解しておくことで生まれてからの子育てをスムーズにおこなうことができるでしょう。やはり事前に知っておくことで病気のことを調べたりする時間ができ、どんなものが必要なのかなど知ることができるので安心感にもつながります。出産することは誰でも少なからず不安があるものです。しかしさらにそれにプラスして我が子に病気があることがわかれば、どうしたらよいのか戸惑ってしまう人もいるかもしれません。そういったことにならないためにも、事前に検査を受けて知ることはメリットなのではないでしょうか。出生前診断にはNIPTの他にも羊水検査や絨毛検査といったさまざまな検査があります。羊水検査は母親の羊水を針を使用して採取し、それを元に胎児の異常をチェックします。また、絨毛検査は胎盤の一部を採取し胎児の異常を調べる検査です。それぞれの検査においてメリットがありますが、どういった検査の仕方なのか、また検査する上でどういったリスクがあるのかも事前にきちんと調べておくことが大切です。

これからの生活についてしっかり話し合おう

ただし、デメリットとして全ての先天性の異常を知ることができるわけではないことが挙げられます。この検査で調べることができる胎児の異常が一部であり、出産後にわかる疾患も中にはあるでしょう。そのことを理解した上でこのNIPT出生前診断を受けることが大切です。高齢出産は絶対ハイリスクなのかといったら必ずしもそうとはいいきれません。経済的に安定していたり精神的な余裕があるといったメリットもあります。ただし出産をする上では母体の年齢が上がればその分卵の老化が進んでしまい、先天性の異常などの発症のリスクが上がってしまうことは忘れてはいけません。広がりを見せるこのNIPT出生前診断ですが、もちろん受けずに出産をする人もいます。受けたことで胎児の異常を早期に知ることができる一方、出産するべきかどうか迷う人もいるかもしれません。NIPTを受けることで胎児の異常を知ることができますが、それと共に今後について家族でしっかり話し合うことが大切です。また、検査自体は安全性が高く、血液検査だけで異常を知ることができるので、感染症などのリスクもないので安心です。一般的に高齢出産は出産適齢期と比べればリスクが高くなってしまいますが、出産には個人差があるため、年齢が上がっても安全で元気な子供を産む人もたくさんいます。どんな出産であっても楽な出産というものはありません。やはり少なからず母体には負担がかかるものですから普段から自分の体調や健康に関してもしっかり管理しておくことが大切です。晩婚化の日本においては、今後ますます高齢出産の人たちが増えるのではないでしょうか。その中でさまざまな検査があること、また胎児の病気についてもしっかり理解しておくことが大切です。妊娠中にマタニティブルーニなってしまい中にはうつ病のような症状を引き起こしてしまう人も中にはいます。少しでも出産の不安を取り除き、安心して出産に挑めるように、家族みんなが協力しあうことが大切です。出生前診断には賛否両論ありますが、自分たちはなんのために検査を受けるのか、そして受けないのかをしっかり考えることが大切です。自分達にとっての最善はなになのかをきちんと話しあいましょう。

女性の社会進出や若者たちの結婚に対する考えが変わる中で、近年日本は晩婚化が進み、高齢出産という新たな問題が出てきています。高齢出産は母親の年齢が上がることで母体に対する負担が大きくなってしまったり、また先天性異常を発症するリスクも高くなってしまうでしょう。そんな中、先天性異常を調べることができるNIPT出生前診断が注目されています。この検査は胎児の状態を血液検査だけで調べることができるというメリットがあります。血液検査だけなので他の出生前診断の方法よりも母体の負担を減らすことができるでしょう。しかし全ての異常を知ることができるわけではありません。それをきちんと理解した上で検査を受けることが大切です。検査を事前に受けることで、胎児の以上について早い段階で知ることができます。不安を少しでも軽減するためにこういった検査を上手に利用しましょう。